「憲法とは国民を縛るものではなく、国家権力の行使に歯止めをかけるものである」
六法全書の六法は憲法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法であるが、憲法は他の五法とは機能が異なる。憲法だけは、実権力を持たない「主権者・国民」が、権力者たち、すなわち政治家とその他公務員に対して、権力を濫用させないように管理する唯一の例外法なのである。国民が国家を管理するための規範となるマニュアルが「憲法」である。ゆえに、憲法を改正する場合は、政治家たちの採決だけでなく、国民による直接投票が必要なのである。
99条にはこうある。
「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」
憲法を尊重し擁護する義務を負う者の中に「国民」は含まれていない。憲法を守らなければいけないのは、国の象徴である天皇と、公務員、すなわち国家権力を行使できる強い立場にいる人間だということが、ここには明記されている。
立憲主義
「立憲主義」とは国家の統治を憲法に基づき行うという原理である。国家は個人の基本的権利を保障するための機関であり、国家権力は権利保障と権力分立を定めた憲法に従って行使される。それにより政府は憲法の制約下に置かれることになる。
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