自民党の幹部を一部ご紹介しよう
第102代内閣総理大臣 石破 茂
生年月日:1957年2月4日
出身地:鳥取県八頭町
学歴:慶應義塾大学法学部法律学科
自治省を務めた父・二郎氏の長男として生まれた。二郎氏は後に鳥取県知事も務めている。
慶応大卒業後、三井銀行に就職するが、父・二郎氏の死を機に田中角栄元首相から「君が衆議院に出るんだ」と強く背中を押された。銀行を退職して田中派事務局の職員となり、「政治のイロハ」を学んだ。
自民党離職も経験した。93年に宮沢内閣不信任案に賛成し、さらに細川内閣の政治改革関連法案に賛成したことなどから、党から役職停止処分を受けた。自ら離党届を出し、新生党に入党。その後、新進党の旗揚げにも参加したが、「青い鳥はいなかった」と、97年に自民党に復帰した。
2002年、小泉改造内閣で防衛長官として初入閣を果たし、有事法制整備や自衛隊のイラク派遣に取り組んだ。
2012年総裁選では1回目の投票で党員票の55%を獲得して1位になったが、議員による決選投票で安倍晋三氏に逆転負けした。
安倍氏との関係はこじれた。2014年、安倍氏に新設する安全保障相を打診されたが、集団的自衛権の行使を巡る考え方の違いから固辞し、安倍氏が妥協して初代地方創生相に就いた。
副総裁 菅 義偉
生年月日:1948年12月6日
出身地:秋田県雄勝郡秋ノ宮村
学歴:法政大学法学部政治学科
首相経験者で、党内の無派閥議員の一部に影響力を持つ。安倍晋三政権では歴代最長の官房長官として、霞が関ににらみもきかせてきた。秋田県のイチゴ農家に生まれ、国会議員秘書や横浜市議等を経験したたたき上げの政治家で、派閥には否定的。岸田首相とは距離を置いてきた。地方への思い入れが、総務相時代に「ふるさと納税制度」創設を主導する原動力になった。下戸で大の甘党。
幹事長 森山 裕
生年月日:1945年4月8日
出身地:鹿児島県鹿屋市
学歴:鹿児島県立日新高等学校
党内随一とされる調整力や安定感が買われ、党務を取り仕切ることとなった。国会対策委員長の経歴が長く、野党側にも太いパイプを持つ。党派閥の政治資金規正法違反事件を巡る関係議員の事情聴取では中心的役割を任されたことも。働きながら高校夜間課程で学んだ地方議員出身のたたき上げで、地元・鹿児島出身の二階堂進・元幹事長を政治の師と仰ぐ。好物はモチで、酒は飲まない。
政調会長 小野寺五典
生年月日:1960年5月5日
出身地:宮城県気仙沼市
学歴:東京大学大学院法学政治学研究科
2度の防衛相経験を持つ、安全保障のエキスパート。党安保調査会長として、2022年の国家安全保障戦略などの3文書改定や、2024年3月の次期戦闘機の第三国輸出解禁に向けた与党合意に尽力した。東日本大震災で宮城県気仙沼市の自宅と事務所が全壊し、震災復興への思いも強い。テレビ出演などが多く、若手議員を食事に連れ出す面倒見の良さも。松下政経塾出身。趣味はテニスとスキー。
総務会長 鈴木俊一
選挙対策委員長 木原 誠二
生年月日:1970年6月8日
出身地:東京都渋谷区
学歴:東京大学法学部
外務大臣 岩屋 毅
生年月日:1957年8月24日
出身地:大分県別府市
学歴:早稲田大学政治経済学部政治学科
国防族議員の一人で、先の総裁選では石破陣営の選挙対策本部長を務めた。32歳で衆院選に初当選したが、政治改革を巡り自民党を離党。新党さきがけから挑んで落選し、7年間の「浪人生活」も味わった。1月には長年所属した麻生派を退会し、「更地から新しい自民党を立て直す」と啖呵を切った。早大雄弁会で鍛えた力強い弁舌が武器。ロードバイク、ギターなどと多趣味だ。
財務大臣 加藤 勝信
法務大臣 鈴木 馨祐
経済産業大臣 武藤 容治
官房長官 林 芳正
生年月日:1961年1月19日
出身地:東京都
学歴:東京大学法学部
ハーバード大学政治学大学院
岸田首相に限らず政権幹部というのはいつの時代もそういうものだが、この人も例にもれず超エリートである。海外経験が長いため、英語もペラペラで、外務大臣の現在はほぼ通訳なしで外相会談をこなしているとみられる。学生時代以来の大のビートルズファンであり、国会議員同士のバンド「ギインズ」のメンバーも務めており、G7夕食会でピアノでイマジン演奏を披露したことも有名だ。
一方で林氏に限らないことだが、宏池会は昔から親中の傾向があるとも言われており、中国が猛烈に軍事費拡大している昨今の状況の中、中国に甘い対応をするのではないか?と疑問視する向きがあったのも事実だ。その影響と思われるが、林氏は外相就任間もない時期、日中友好議員連盟の会長を辞任したことも話題になった。
外相や文部科学相など6つの閣僚を経験し、外交から内政まで幅広い政策に精通する。安定感と実務能力の高さから閣僚更迭時の緊急登板も多く、誕生日の1月19日にちなんで「政界の119番」と呼ばれる。2021年衆院選で参院から衆院への鞍替えを果たし、先の総裁選では候補9人中4位に食い込み、次への足掛かりをつかんだ。
総務大臣 村上 誠一郎
厚生労働大臣 福岡 資麿
防衛大臣 中谷 元
経済安全保障担当大臣 城内 実
デジタル大臣 平 将明
農林水産大臣 江藤 拓
生年月日:1960年7月1日
出身地:宮崎県東臼杵郡門川町
学歴:成城大学経済学部経済学科
衆院宮崎2区選出で当選8回。安倍内閣だった2019年に農相として初入閣した。農林族の中核議員として知られ、農林水産副大臣や、農林水産物の輸出振興などを担う首相補佐官を歴任した。
文部科学大臣 阿部 俊子
生年月日:1959年5月19日
出身地:宮城県石巻市
学歴:宮城学院女子短期大学
アラバマ大学バーミングハム校
小泉政権の2005年郵政選挙で初当選した「小泉チルドレン」の一人。老人施設の経営者になろうと米国留学し、看護資格を取って稼ぎながら勉学に励んだ苦学の人だ。「貧しい人のために制度を変えたい」と政治の道に進み、各省の副大臣を歴任してきた。「高い要求が多く、官僚泣かせだ」との評も。趣味は読書と旅行。好きな言葉は、ヘレンケラーの「希望は人を成功に導く」。
環境大臣 浅尾 慶一郎
生年月日:1964年2月11日
出身地:東京都
学歴:東京大学法学部
スタンフォード大学経営大学院
元々は衆院議員で、衆院に鞍替えして「みんなの党」に移った後は代表を務め、同党を解党した。自民入りしてから5年近く浪人生活を送ったが、閣僚の座を射止めた。2023年には自身の選挙戦を題材にしたドキュメンタリー映画が公開され話題に。日本興業銀行で証券アナリストとして活躍した経歴を持ち、経済政策を中心に「何度でもチャンスのある社会を」と訴える。
少子化・女性活躍担当大臣 三原 じゅん子
生年月日:1964年9月13日
出身地:東京都板橋区
学歴:板橋区立志村第一中学校
人気テレビドラマ「3年B組金八先生」での不良少女役でブレイクし、歌手としても活躍していたが、子宮頸がんを患った経験から政治を志した。ライフワークはがん対策で、厚生労働分野で政策を磨いてきた。2019年6月の参院本会議で、当時の安倍晋三首相に問責決議案を提出した野党に、反対討論で「愚か者の所業。恥を知りなさい」と言い放ったことが話題になった。
経済再生担当大臣 赤沢 亮正
生年月日:1960年12月18日
出身地:東京都文京区
学歴:東京大学法学部第1類
コーネル大学経営大学院
石破首相と同じ鳥取選出の最側近で、総裁選では選挙対策本部の事務総長を務めた。運輸官僚として日航ジャンボ機墜落事故や阪神大震災を経験し、政治の最大の使命は命を守ることだと痛感。2005年衆院選に郵政造反組への「刺客」として出馬し、初当選して以来、防災・減災などに注力した。学生時代はスキーに熱中したスポーツマンの一面も。祖父は自治相などを務めた正道氏。
防災担当大臣 国家公安委員長 坂井 学
生年月日:1965年9月4日
出身地:東京都府中市
学歴:東京大学法学部
松下政経塾の出身で、鳩山邦夫・元総務相の秘書を経て2005年衆院選で初当選した。菅副総裁を支持する自民議員グループ「ガネーシャの会」の中心人物。菅内閣の官房副長官時代に、首相官邸で同会メンバーと公務外の会合を開いて批判されたことも。最近は能登半島地震の復興や、身寄りのない高齢者の支援に力を注ぐ。スパイスを使った料理を作ったり食べたりすることが趣味。
新しい地方経済・生活環境創生担当大臣 伊東 良孝
生年月日:1948年11月24日
出身地:北海道旭川市
学歴:北海道教育大学釧路分校
大学時代、靖国神社の資料展示施設で戦死者の遺書に触れたことが政治家を志す原点になった。北海道議や釧路市長などを経て、自民が惨敗して下野した2009年衆院選で初当選した。農水分野に明るく、北方領土問題もライフワークとしている。趣味は音楽で、バンドを組んでいた時期もある。国政報告会で支援者にエレキギターの腕前を披露することも。座右の銘は「至誠天に通ず」。
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