24年7月

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24.7.30 朝生の感想

先日、7月26日深夜放送の朝まで生テレビの録画を、2回通して早送りで見ました。大変刺激的な回でした。

私が今回、パネリストの中で興味を持ったのは、一水会代表の木村三浩という方です。この方の対米認識は実に鋭いと思いました。対米自立をテーマに掲げたジャーナリズム活動をやっておられるそうなので、鋭いのは当たり前なのかもしれませんが・・・

木村さんの発言:

民主党政権には見所はあった。マニフェストにはキレイごとが多かったとはいえ、対米方針を大きく変えようとした。この心意気は立派だった。

アメリカはものすごく異質な国である。1国で、世界中に800か所の軍事拠点を展開している。そこに40数万人の軍人を派遣している。こんな国は他にはない。トランプやロバート・ケネディ・ジュニアは、世界からアメリカの軍隊を引き揚げると言っている。世界からアメリカの軍事的脅威が立ち去れば、世界の国々はアメリカに対抗して軍隊を膨張させる必要もなくなる。世界的に軍備の削減が進み、戦争の機運は減るだろう。ロバート・ケネディ・ジュニアの意見は正しいと思う。

アメリカに対する認識、日本の対米関係に対する認識は実に的確だと思うのですが、トランプ寄りの保守派?の人たちの意見でいつも不思議なのが、「アメリカの軍備がやり過ぎなんだから、もう少し引いて中露をそっとしといた方がいい」という認識になぜ至るのか?ということです。まあトランプは対中強硬派とは言えるかもしれませんが、世界からアメリカの抑止力を減らしたって構わない、と考えていることには違いないでしょう。私はこの、ノー天気に?アメリカの軍事プレゼンスを世界から大幅に減らしたって構わない、と考えるスタンスは危険だと思います。力の空白ができれば、どこかの強国がその空白を埋めにかかる、というのは国際政治のセオリーの一つです。アメリカがアジアや中東、ヨーロッパのどこか・・・に力の空白を作れば、すぐさま中国やロシアが、そこを埋めにかかると思った方がいいでしょう。

他は・・・舛添さんの意見もなかなか興味深かったです。選挙制度がああでもないこうでもない、と話し合うのは朝生のいつものパターンですが、「保守党と労働党など、2大政党にくっきり分かれる国であれば小選挙区が有効に機能するかもしれない。しかし、すぐに多党分散型になる国では他のやり方を考えるべきかもしれない」との、舛添さんの状況認識は的確だと思いました。ただそこから、舛添さんが「中選挙区制に戻したっていいかもしれない・・・」と話し始めたのはちょっとガクッと来ました。小選挙区制からガラッと変えるのであれば、完全な比例代表制に近い形を考えるべきだと思うのですが・・・

あと、大学准教授の山口真一さんという方の情勢分析は実に見事だと思いました。朝生に出てから活躍し始める人は多いので、この人もすぐにメディアの売れっ子になるのではないでしょうか?山国さんによると・・・

インターネットは当初は、地理的に離れた見ず知らずの人同士が自由にコミュニケーションを取り合い、「分かち合い」が広がる社会を作れることが期待された。しかし、しばらくたってみると、特に政治の世界では、極端な意見を力強く言える人ばかりが目立つ現象が増えてしまい、極端な意見Aの人のグループと、極端な意見Bのグループの人は全く分かり合えず、お互いを罵倒するだけで終わってしまう、という分断現象が目立つようになってしまった。

インターネットを通じて、政治的意見の集約もできそうな場面が徐々に見えてきたが、インターネット上で批判されている政治家が現実の政治の世界で票を取れないか?というとそうではない、むしろ現実の選挙では勝っているケースもある。逆に、インターネット上で大人気の政治家が現実の選挙でも圧勝できるかというとそうでもない。3位以下か、惨敗に終わるケースもある。つまり、ネット民主主義と実社会の民主主義にズレが生じている。

山口さんの分析を舛添さんがフォローしてくれていましたが、やはり高齢者はインターネットメディアについていけない人もかなり多い。高齢者が多くの票を握っているのが依然として現実なので、ネット民主主義と実社会の間にズレが生じるのだろうとのこと。

実に鋭い意見の多い、見応えのある回だったと思います。


24.7.30 東京都知事選の振り返り

教えてgooの回答から:

住友不動産グループとズブズブです。

築地再開発
豊洲五輪跡地再開発
神宮外苑再開発

しかも、都庁OBが住友不動産に天下り。

東京都の予算は、小国の国家予算に匹敵します。

これに群がる輩は、何が何でも小池くんですよ。

で、その一部が自民党の裏金に回るわけですから、自民党だってがんばりますよ。

すべては「お金の力」ですね。

小池くんは、初当選したときは自民党を敵に回していたのに、今やどっぷりです。

私が興味深いと思った回答をピックアップしました。これら解説の真偽のほどは、ご自身でご判断くださいますよう、お願いします。



24.7.31 6月分の朝生の感想

順番が前後しますが、せっかく7月分の朝生の感想を書いたので、6月分も書かなくてはと思いました。見返してみましたが、1回目に視聴したときよりも、面白く感じました。かなり濃い内容です。見逃し配信などで見られる人は見てみていただきたいと思います。

ただ・・・6月のテーマは少子化対策だったのですが、少子化の原因分析が細かい議論になりすぎて、議論の焦点がつかみづらいという感じもあります。それで最初に見た時はあんまり感想を書く気になれませんでした。

私が個人的に一番いいコメントをしていると思ったのは、藤井マナさんです。2回見て、2回ともこの意見がいいと思いました。つまり、政界では少子化対策が大事だと叫び続けているけど、結局は子育て政策の財源確保のために追徴課税をしようとしている。子育て世代の所得が低いことが少子化の大きな原因の一つだというのに、追徴課税をするのは本末転倒ではないか?子ども国債を発行して子育て財源を生み出すべきではないのか、ということです。子どもは将来は大人になって納税者になるのだから、子ども国債の返済を気にする必要はないというのです。なかなか筋の通った意見だと思いました。松川議員が色々と答えておられましたが、結局松川さん本人も、国債の発行可能性があとどのぐらいあるのかよく分からないんだと思います。松川さんに限らず、ほとんどの国会議員も、あとどのぐらい国債を追加発行していいのか、分かっていないと思います。書いている私ももちろん、よく分かりません。財政の議論を詰めることは重要だ、とあらためて思いました。

議論が細かくなりすぎて分かりづらかったものの、少子化の原因分析、対策の議論はなかなか見応えがありました。正規・非正規が少子化と関係あるか、女性の社会進出が少子化と関係あるか、このあたりも、あまり一概には言えないのだそうです。

ただ冒頭で河合雅司さんが解説されていましたが、日本がこれから少子化が進むのは確実で、少子化のペースを頑張って緩めるぐらいしか、手の打ちようはないのだそうです。この現実を直視した上で、これからも少子化対策の議論が進化することを期待したいです。


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