25年2月

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25.2.1 NIRAフォーラム2025

新聞広告だったと思いますが、NIRAフォーラム2025というイベントの開催案内を見つけて応募して、1日開催だったので行ってきました。パネリストのお話を聞く形ですが、司会が東京大学教授の谷口将紀氏、基調講演が衆議院議員の齋藤健氏、パネリストが同じく齋藤健氏、TBS特任執行役員の竹下隆一郎氏、キャスター・ジャーナリストの長野智子氏、NIRA総研会長の金丸恭文氏、東京大学教授の柳川範之氏という顔ぶれでした。

議題は「伝わる政策、信頼できる政府を作る」というものです。

特に齋藤健氏と長野智子氏、竹下隆一郎氏のお話が面白かったように思います。齋藤健氏と言えば安倍内閣で農林水産大臣、岸田内閣で法務大臣、経済産業大臣を歴任されたという、バリバリの自民党中核議員です。元は通産省の官僚を20年以上勤めておられたそうです。

齋藤氏が取り上げられた話題は、入管法改正の問題です。法務大臣の時に入管法改正問題を担当されたそうですが、この問題が話題になった時は、日本の入管法の難民認定率が低いということが批判されていました。ところが斎藤氏が、難民認定から外された外国人の背景を詳しく調べてみると、麻薬をやっているとか、前科があるとか、不良外人のような人が続々と見つかったというのです。ただし、それをマスコミ向けに堂々と話すことはできないのだそうです。それは、行政上知りえた個人情報を表には出せないから。

そこで、「難民認定率が低いのは国が悪いんだから、裁判で白黒はっきりさせろ!」という世論の突き上げを食らって、実際に裁判をしたんだそうですが、当初政府が出していた結論は、裁判をやっても変わらなかったのだそうです。ところが、その裁判の結果を、マスコミがどこも報じてくれなかった。それで斎藤氏はマスコミに不信感を抱いたようです。政府が真摯に国民の要求に応えようとしても、マスコミは必ずしも公平に、政府の活動を報じてくれない。マスコミの不作為によって、政府と国民との間のディスコミュニケーションが生じている場面もある、ということのようでした。

元アナウンサー・キャスターの長野智子さんがそれに答えていたのですが、テレビというのはどうしても、話題がHOTなときに取り上げたいという欲求がある。視聴者が興味持たなそうだ…と思われたときは取り上げないのだそうです。話題がホットなホットラインに引っかかる政府報道であればテレビも積極的に取り上げるんだけど、そうでなければスルーされてしまう場合は往々にしてある、とのことでした。

昔のテレビ局には、前方部隊と後方部隊というのがあって、前方部隊というのは今一番ホットなニュースを速く正確に伝えることに全力を注ぐ。後方部隊というのは、「あのとき世の中を騒がせたニュースのその後はどうなったか?」ということを検証して報道する。昔のテレビ局では後方部隊というのがしっかりしていて、検証番組というものが時々は作られていたようなんです。しかし、特にリーマンショックの後辺りから、テレビ局も資金不足に陥るようになってきて、後方部隊を上手く組織できていない現状がある、とのことでした。



それに、元朝日新聞経済部記者の竹下隆一郎さんが今時のSNS解説みたいな話をされていました。特にユーチューブなんですが、今時の報道系ユーチューバーはすごく真剣に活動している。既存メディアで仕事をしている人たち、また普段ニュースチェックしている一般の人たちも、そういう今時のユーチューバーの動向をよく知っておいた方がいいというお話でした。ユーチューブの概要欄には目次機能というものがあって、目次を活用すれば、気になる関連動画を次々に見つけられるようになっているらしいです。私もよく知りませんでしたが。

ユーチューブのジャーナリズムというのは、一見するとその時その時の話題・事件についてスピーディーに面白おかしく解説することが流行っているように見えるけど、実はフローの情報じゃなくストックなんだ、というお話をされていました。ユーチューブの動画はネット上にずっと残ります。今作った動画を、今の人が必ずしも熱心に見てくれなくても、例えば5年後に、社会問題を研究している大学生が過去の動画を掘り起こして見てくれるとか、ジャーナリストが掘り起こして見てくれるとか、そういうこともいくらでもあり得る。ストック活用できる価値があるということでした。

しかし一方で齋藤氏のメディア不信は強いらしく、「ユーチューブも便利だけど、ユーチューバーは動画を面白おかしく編集していることが多い。そうすると、自分が話したことのごく一部しか動画化されていなくて、一部の発言を拡大解釈されて、誤解された人間像が世間に広く伝わってしまう恐れがある」という話をされていました。「人間はウソによって騙されるのではない。人間は事実によって騙されるのだ」という言葉が印象的でした。つまり偏った事実は、嘘と同じぐらい、人々の認識を偏らせる、もっといえば間違えさせる、悪効果があるというのです。

25.2.1 長妻昭と語る会に参加!

書いているのは2月1日ですが、参加してきたのは先日の1月30日です。長妻昭さんは毎月のように、選挙区の中野区の中で、場所を変えながら講演会を開催されておられます。毎回、質問タイムを設けて、聴衆の方々の質問をたくさん聞いて、それに一つ一つ答えておられます。

今回は中野駅南口の中野ZEROという施設内の1室で開催されていました。

森永卓郎さんが亡くなられたばかりですが、長妻さんはいわゆる「ザイム真理教」の議論には懐疑的で、財務省の言いなりにならなければもっともっと財政出動できる、という考え方には乗れないスタンスのようです。

財務省は世界最強の官庁と言われることもあるようですが、長妻さんに言わせれば世界最弱の官庁だそうです。世界最弱の官庁だからこそ、政治家から要求されればホイホイと財政出動してしまう。もし財務省が世界最強の官庁なのであれば、今頃政府の借金はゼロになっているだろう。少なくともプライマリーバランスはとっくに均衡がとれているだろう、という風なお話で、なるほど、それもそうだなと思いました。

今回は聴衆の一人の方から質問タイムを通じて興味深いお話を聞けました。元中日新聞編集委員の白井康彦さんという方ですが、この方は厚生労働省の生活扶助基準というものについて、長年調査されてきたそうです。生活扶助基準というのはつまり、生活保護の支給額を決めるための金額的数字のルールのようです。2013年に、厚労省は生活保護費を平均して6.5%切り下げたのだそうです。当時の厚労省の説明はデフレ調整というものでした。基準の引き下げ率を物価指数下落率に一致させる措置、という建前だったようです。言葉を変えれば年金の説明の時に出てくる物価スライドと似たような概念でしょう。

ところが、厚労省の説明では2008年~2011年の消費者物価指数の下落率が4.78%だったのですが、総務省統計局の同様の指数の、同じ3年間の下落率は2.35%に留まっており、同じ霞が関の中でも統計に整合性が取れていないとのことでした。これは当時の安倍政権による、「生活保護費を圧縮せよ」との圧力が働いたのだろうと白井さんは推測されています。

実際、白井さんは統計不整合の資料を基に、仲間とともに全国の29地裁に提訴されたそうです。2025年1月10日の時点で29件の判決が出ており、原告から見れば18勝11敗で、勝率がかなり高いのだそうです。政府の欺瞞も、丹念に資料分析して、裁判で理路整然と訴えれば、ちゃんと国民の言い分が通るのだということを、白井さんは体現されておられるようでした。


25.2.1 櫻井よしこさんの講演会に参加

これも書いているのは25年の2月1日ですが、実際に講演会に参加したのは昨年の12月12日でした。書くのをずっとサボっておりました…(汗)

これは千歳烏山の烏山区民ホールで、産経新聞社が定期的に開催されている講演会で、今回は櫻井よしこさんが講師を務めるとのことでした。私は本物の桜井さんを見るのは初めてで、保守派の有名な論客だから、「結構激しい話し方をされるのかな?」と想像していましたが、実際はすごく物腰の柔らかい方でした。しかし、冒頭では石破政権や石破首相本人に対する悪口みたいな発言もポンポン飛び出して、やはり保守派の人たちは、どちらかというとリベラル色の強い石破政権に飽き足らないのだな、ということを切実に感じました。しかし・・・ときの首相への悪口を軽いノリでポンポン話せて、聴衆もそれを笑ったり拍手しながら聞いているというのは・・・政治思想によって人の集団はこんなにも変わるものかと思いました。

桜井さんは韓国の政情をとても心配されているようで、韓国のユンソンニョル政権が戒厳令騒動で倒れてしまって、野党のイジェミョン氏率いる共に民主党等が政権を取ってしまえば、朝鮮半島は北も南も左派の政権になってしまう。歴史を振り返っても、日本の外交は朝鮮半島の情勢に敏感に反応してきた。中国が台頭している今、朝鮮半島全体が左翼的な政権下に置かれてしまうのは危ないと言われていました。

他にも色々お話されていたのですが、特に印象に残ったのは、櫻井さんが「五か条のご誓文」をスラスラと暗唱されてことです。すごい記憶力だと思いました。全体的にも、2時間ぐらい、ぶっ通しでお話をされたのです。原稿も見ずに。こんな化け物のような知識人だったのか!とあらためて驚かされました。

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