このタイトル通りの本ですが、実に面白かったです。

米中の地政学的戦略
私が特に印象に残ったところは、トランプは国際政治の舞台においてハチャメチャな発言を繰り返しているように見えるけど、その志向性は地政学の論理にのっとっているということ。また、中国の世界戦略が思っていた以上に賢いということです。
トランプについてはカナダを〇番目の州として加えたいとか、グリーンランドを購入したいとか言ってますね?
これには大きく3つの理由がある。
1つはレアアース。グリーンランドの島だけでアメリカに匹敵する量のレアアースの埋蔵量が見込めるのだそうです。しかし中国もすでに3120億円規模の投資を行っているそうです。
2つ目は北極海航路。多くの国にとって、ヨーロッパに向かう航路が数千キロ規模で短縮される可能性があり、21世紀の世界貿易の動脈となる可能性があるのだそうです。
3つ目は軍事的な理由で、アメリカの対露防衛の最前線に位置付けられ、すでに1941年からピトゥフィク宇宙軍基地という施設が稼働しているのだそうです。
また中国に関しては、やはりとりわけ目立つのがアフリカへの投資。紅海でフーシが軍事行動を激化させた結果、多くの国の海運がスエズ運河を航行できなくなっています。すると、地中海からインド洋に出るには、アフリカ沿岸を迂回してくるしかありません。すると船が寄港するアフリカ沿岸の拠点の多くには、すでに中国が投資済みであることが多いのです。
レアアース、コバルト、リチウム、プラチナ、マンガン、ボーキサイト、クロム等、多数の鉱物資源を押さえようとしているのだそうです。
また3つのステップがあるそうでして、
1つ目が国連の平和維持活動、ようするにPKOの名目で中国軍を派遣するのですが、中国部隊の駐留地がことごとく資源産出地の周辺なのだそうです。
2つ目はインフラ投資。港湾、鉄道、道路、発電所、通信網が次々と中国資本によって敷設されています。時には過剰に資本を貸し付けて、相手国を債務の罠に陥らせることもあります。
3つ目が孔子学院です。現地のエリートを中国流教育で育て、優秀な学生には中国への留学の機会を与えることで、現地エリートと中国との結びつきを強めているのだそうです。


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