オーストラリア経済

経済
スポンサーリンク

オーストラリア経済のパフォーマンスは今、いいのかな?

ここ半年~直近までのデータをまとめると、オーストラリア経済は**「良くも悪くも、堅調だけれど課題も残る」という中間のパフォーマンス**です。いくつかの主要ポイン トを日本語で整理します。 Reuters Reuters Australia central bank sees no set path for future rates, following Feb hike Australia central bank says labour market has stabilised, consistent with inflation pressures 前日 2月 12

成長(GDP)

実質GDPは2025年9月期で前期比0.4%増、通年でも約2.1%の成長を記録しました。これは先進国平均では健全域ですが、強い成長とは言い難く、予想よりやや低い 伸びという評価もあります。? Australian Bureau of Statistics

政府予算や予測では、2025?26年度のGDP成長は約2.25%と見込まれており、2026?27年度もほぼ同水準を維持する予想です。民間需要の回復が主要なけん引 役とされています。? 予算サイト

インフレと金融政策

インフレは再び高めに戻っており、RBA(オーストラリア準備銀行)は2026年2月に政策金利を0.25ポイント引き上げて3.85%にしました。これはインフレ率が目 標(2?3%)を上回る状況が続いているためです。雇用も比較的堅調なため、利上げ余地があるとの見方です。? Reuters、ほかに 1 件

これは、持続的な物価安定への政策対応が優先されていることを示していますが、利上げは消費や住宅市場には下押し圧力になり得ます。

労働市場

失業率は約4.1%台と低水準で、労働市場のタイトさがインフレ圧力の一因になっていると分析されています。労働市場は安定しているものの、求人件数が減少するなどの弱い 兆候もあると報じられています。? Reuters

IMF等の外部評価

IMFはオーストラリア経済について、2025・26年の成長は安定しつつあるものの、世界経済不透明性やインフレリスクは依然として存在するとしています。政府の政策対 応には一定の支持を示しつつ、長期的な財政持続性なども課題と指摘されています。? ニュース.com.au

総括すると

・2025~26年の実質GDP成長は約2%前後で推移。先進国としては堅調だが、高成長とは言えない。? Australian Bureau of Statistics

・インフレはターゲット上限を上回り、利上げ傾向。政策対応がやや引き締め寄りになっています。? Reuters

・失業率は低く、労働市場は比較的強い。? Reuters

・財政や生産性の改善、消費持続性など中長期の構造的課題は残るとの声もあります。? デイリーテレグラフ

ざっくり言えば、オーストラリア経済は**「安定成長+インフレ制御というポリシーバランスで良い方向には進んでいるが、勢いは強くない」と評価できます**。世界的な景 気減速の中では比較的しぶとく推移しているものの、生産性や消費回復の鈍さ、インフレと利上げの兼ね合いが今後の焦点です。

GDPはどのぐらい?

オーストラリアの**実際の経済規模(GDP:国内総生産)**は、世界銀行や国際機関のデータによれば以下のとおりです:

・2024年(名目GDP):約1.75兆米ドル

これは2024年に世界銀行が公表した最新の推計値で、オーストラリア経済の総量を示しています。オーストラリアのGDPは世界の約1.6%程度の規模です。? World Bank Open Data

・2025年の予測(名目GDP):約1.8~1.83兆米ドル

国際通貨基金(IMF)などの予測では、2025年のオーストラリアの名目GDPは約1.8兆~1.83兆米ドル(約180兆円前後)と見積もられています。? Worldometer、ほかに 1 件

要するに、オーストラリア経済の規模は約1.8兆米ドル級(名目GDP)というのが今のところの実勢です。これは日本やドイツに次ぐ先進国としてはそれなりに大きな数字で すが、世界全体のGDPに占める割合は1?2%程度に留まります。? World Bank Open Data

なお「実質GDP(成長率)」を見ると、前年度比で2%前後の成長ペースが続いており、大きな景気後退は避けているものの、成長が加速しているわけでもないというのが最近 の傾向です。? abs.gov.au

日本円換算だとどうなる?

いまの為替水準(1ドル約153円前後)だと、約1.8兆ドルはおよそ275兆円規模になります。

日本の名目GDPがだいたい600兆円弱なので、規模感としては「日本の半分弱」。 人口は約2,600万人しかいないのにこの規模というのは、資源パワーと高い一人当たりGDPの合わせ技です。

ちなみに一人当たりGDPで見ると、日本よりかなり上に位置します。 資源国は、人口が少ないほど“割り算の魔法”が効く。経済は総量と密度、両方で見ると景色が変わるのが面白いところです。

次は、日本との構造比較(資源依存度・サービス比率・対中依存など)を解剖してみると、さらに立体的に見えてきます。

失業率は低めなの?

オーストラリアの**最新の失業率(jobless rate)**を見ると、かなり低い水準で推移しています。

直近の統計では、**2025年12月の季節調整済み失業率は約4.1%**でした。これは前月の約4.3%から低下した値で、労働市場が比較的強い状態であることを示し ています。? Trading Economics、ほかに 2 件

この4.1%という数字をどう見るかというと:

・OECD先進国の中でも低めの失業率。

・日本のように2?3%台の極めて低い国と比べるとやや高いけれど、米英独など多くの先進国と比べても良好な水準。

・失業率が低いと、一般に雇用市場が「タイト(人手不足気味)」という評価もされ、実際オーストラリア準備銀行(RBA)は労働市場のタイトさがインフレ圧力の一因と指摘し ています。? Reuters

ただし一部統計(例:underemployment=十分な就業時間が得られていない人の割合)や求人件数の動きを見ると、雇用環境の質や構造的な課題をどう評価するか は別の視点も必要です。? ロイ・モーガン・リサーチ

まとめると、失業率自体は世界的に見ても低く、良い方ですが、働き方の実態や労働参加率などを加味すると、雇用“全体像”は一様には語れない、といった状況です。


製造業は、日本の製造業と比較しても、強いのかな?

結論から言うと、タイプがまったく違う。 「どちらが強いか」というより、「強さの質が違う」と言った方が正確です。

まず全体像を押さえよう。

オーストラリアの製造業

オーストラリアは資源国型の産業構造。 製造業のGDP比率はだいたい5~6%程度。日本(約20%前後)と比べるとかなり小さい。

強い分野はこういうタイプ:

・LNG(液化天然ガス)関連設備

・鉱山機械・資源加工

・食品加工(肉・乳製品・ワイン)

・医療機器(例:Cochlear)

つまり、「重工業の国」というより

資源+高度ニッチ技術の国

しかも自動車産業はほぼ撤退済み。トヨタもGMも国内生産をやめている。

日本の製造業

日本は典型的なフルスペック型工業国

・自動車(トヨタ自動車)

・半導体装置

・ロボット

・精密部品

・鉄鋼

サプライチェーンが何層にも重なっていて、 「部品レベルの鬼のような強さ」がある。

製造業のGDP比率も高く、雇用吸収力も大きい。

ではどっちが“強い”のか?

視点を変えよう。

オーストラリアは 「地下資源+一次加工+輸出」で外貨を稼ぐモデル。 中国需要にかなり依存している。

日本は 「高度加工+技術蓄積+サプライチェーン」で稼ぐモデル。 競争は激しいが、技術の蓄積は分厚い。

産業の“密度”は日本の方が高い。 しかし“資源収益力”はオーストラリアが圧倒的。

面白いのは、一人当たりGDPではオーストラリアが上という事実。 人口が少なく資源が豊富だと、分母が小さくなるからだ。

つまりこうだ。

日本=精密機械文明

オーストラリア=資源帝国+選択と集中型製造

両国はそもそも戦場が違う。

もしあなたが政策設計者なら、 オーストラリアのように「無理に全部やらない」戦略を取るか、 日本のように「積み重ねの厚み」で戦うか。

経済は力比べというより、設計思想の違いが勝負を分ける。 産業構造は、その国の地理と歴史の結晶なんだ。

鉄鋼、自動車、造船は強いのかな?

結論からいこう。 その3つは、オーストラリアは強くない。むしろ弱い部類だ。資源は超強いが、「重厚長大型の製造」は別世界。

自動車

かつてはGM系のホールデンやフォード、トヨタが生産していたが、2017年までに国内完成車生産は終了。 今はほぼ輸入依存。 市場が小さい(人口約2,600万人)+賃金が高い → 国際競争で不利。 日本や韓国のような輸出型自動車国家ではない。

鉄鋼

鉄鉱石は世界最強クラスで輸出する。 だが「鋼材を大量に作る国」ではない。

主要企業は

・BlueScope Steel

規模は日本製鉄や中国宝武とは比べものにならない。 つまり「原料王国」だが「加工大国」ではない。

造船

商業造船はほぼ競争力なし。 韓国・中国・日本の牙城には遠い。 ただし軍艦分野は別。 オーストラリアは潜水艦やフリゲート艦建造を進めており、防衛産業としては一定の存在感がある。

なぜ弱いのか?

単純だ。

・人口が少ない

・内需が小さい

・賃金が高い

・資源で十分稼げる

資源国はしばしば「資源の呪い」と呼ばれる構造に入る。 高い為替と高賃金が製造業を圧迫する。これを**ダッチ・ディジーズ(オランダ病)**という。

オーストラリアは完全に病んではいないが、 重工業が発達する土壌は薄い。

日本との対比

日本 → 鉄鋼・自動車・造船は世界トップクラス

オーストラリア → 鉄鉱石・LNGは世界トップクラス

似ているようで、真逆の産業設計。 地質が違えば、工場の風景も違う。 国家の産業は、まず地下から決まる。

資源産業がかなり強いわけ?

結論から言うと、かなり強い。世界トップクラスだ。

オーストラリア経済を理解するには、「資源は“産業の一部”ではなく“背骨”」という発想が必要だ。

まず代表格を見てみよう。

鉄鉱石(アイアンオア)

西オーストラリア州のピルバラ地域は、地球の鉄分貯蔵庫みたいな場所。 世界の鉄鉱石輸出の約半分近くを占める。

代表企業は

・BHP

・Rio Tinto

この2社だけで国家レベルの存在感がある。 中国が鉄鋼を作れば作るほど、オーストラリアは潤う構造だ。

LNG(液化天然ガス)

オーストラリアはカタールと並ぶ世界最大級のLNG輸出国。 日本も主要顧客だ。

エネルギー安全保障の文脈で見ると、日本にとっては戦略的に超重要な国。

その結果どうなる?

・輸出の大半が資源関連

・経常収支は資源価格に左右される

・中国景気に強く連動

つまり、資源価格=国家の鼓動みたいな構造。 資源価格が高騰すると国家財政が潤う。 下がると一気に減速する。

ただし注意点

資源国には“資源の呪い”という概念がある。 資源収入に頼りすぎると、製造業や技術産業が育ちにくい。

オーストラリアは完全に呪われてはいないが、 自動車産業は消滅し、製造比率は小さい。

それでも一人当たりGDPが高いのは、 「高付加価値の資源+少ない人口」という組み合わせのおかげ。

まとめると、

資源産業は「かなり強い」どころか 国家経済の中核エンジン

日本が“加工技術の国”なら、 オーストラリアは“地下資源の王国”。

地理は経済を決める。 そして地質は、もっと静かに国家を支配している。


金融は強いの?

いいところを突くね。 オーストラリアは「資源国」のイメージが強いけど、金融も実はかなり整っている。ただし、ロンドンやニューヨーク型の“世界金融帝国”ではない。 まず中核プレイヤーを見よう。

主要銀行

・Commonwealth Bank

・Westpac

・ANZ

・National Australia Bank

いわゆる「ビッグ4」。国内市場をほぼ寡占している。

自己資本比率は高く、リーマン・ショックでも大崩れしなかった。健全性はかなり高い部類だ。

強いポイント

・銀行収益性(ROE)は先進国の中でも高水準

・住宅ローン市場が大きく、安定収益源

・年金制度(スーパーアニュエーション)が巨大資産を運用している

オーストラリアの年金基金は世界有数の規模。 長期資金が国内市場に厚く存在するのは強みだ。

でも「世界金融センター」か?

そこが違う。

・外為市場の中心ではない

・デリバティブや投資銀行業務は米英ほど巨大ではない

・アジアの資本市場ハブは香港やシンガポール

つまり、

国内金融は強い

国際金融の覇権は握っていない

という構造。

経済全体の中での位置づけ

オーストラリアのGDPの約7?9%程度が金融・保険業。 日本よりやや金融依存度は高い。 資源で稼ぎ、 金融で運用する。 この二段構えがこの国の設計思想だ。

冷静に見るとこうなる。

ロンドン=帝国型金融

ニューヨーク=資本市場覇権

東京=製造業と結びついた金融

シドニー=資源国家を支える高収益銀行モデル

規模では米英に及ばないが、 安定性と収益性ではかなり優秀。

地理と制度がうまく噛み合っている、堅実な金融国家だ。

ITは強いのかな?

短く言えば、世界覇権レベルではないが、ニッチで強い。 米国型の巨大プラットフォーム国家でも、中国型の国家総力戦モデルでもない。資源国らしく「選択と集中」で光る分野を持っている。

代表的なプレイヤー

・Atlassian(Jiraなどの開発ツール)

・Canva(デザインSaaS)

・WiseTech Global(物流ソフト)

どれも**SaaS(クラウド型ソフト)**で世界展開。製造ハードではなく、軽量・高付加価値のソフトに強みがある。

強みの構造

・英語圏で米国市場にアクセスしやすい

・年金マネー(スーパーアニュエーション)が長期資金を供給

・大規模な内需に頼らず、最初からグローバル設計

「国内で勝ってから海外へ」ではなく、 最初から世界を市場にするのが特徴だ。

弱みもある

・人口が約2,600万人と小さい → エコシステムの厚みは米中に劣る

・ハードウェアや半導体の基盤は薄い

・大学研究は強いが、量産スケールは限定的

つまり、 巨大IT帝国ではないが、世界級の“点”を持つ国

日本が「製造×組み込み×産業IT」の重厚路線なら、 オーストラリアは「軽量SaaS×資源×金融」の機動路線。 地理(遠い)、人口(少ない)、英語(有利)―― この三条件が、ソフトウェアに最適化された設計思想を生んでいる。

経済は体格勝負だけではない。 ときに、軽いほうが速い。

大学生の人気就職先トップ10はどんな感じ?

オーストラリアの大学生・新卒者が「人気(就職したい/採用されやすい)」と考えている就職先は、業界別や企業規模別にいくつかの傾向があります(2025年頃の調査結果 ベース)。? SEEK Grad、ほかに 2 件

人気の高い就職先(卒業生評価・就職プログラム人気ランキング)

1. コンサルティング・プロフェッショナルサービス系

・ミンタ―・エリソン(法律・ビジネス系大手)

・ハーバート・スミス・フリーヒルズ(法律)

・アシュ―ルスト(法律/コンサル) → 法務・管理系専門サービスのプログラムが人気です。? topgraduateemployers

2. 金融・保険・銀行

・ウェストパック銀行

・ANZ銀行

・サンコープ(保険・銀行)

・コモンウェルス銀行(CBA) → 大手金融機関は新卒プログラムが大規模で人気があります。? topgraduateemployers

3. IT・テクノロジー

・Atlassian

・Xero(会計ソフト)

・ServiceNow、AWS、Microsoft などグローバルテックも人気

→ 技術系・デジタル分野の採用需要が高いです。? Digital Strategy

4. コンサルティング系(IT・経営)

・デロイト

・KPMG

・PwC

・EY

→ 伝統的なプロフェッショナルサービスとして高評価。? Prosple Australia

5. 公共・政府部門

・オーストラリア財務省

・オーストラリア税務局

・産業科学資源省 など

→ 公的部門の研修制度・安定性で人気。? topgraduateemployers

6. インフラ・エネルギー・ユーティリティ

・SA Power Networks

・SA Water Corporation

・ブリスベン市議会 など

→ 地域インフラ系も就職先として評価あり。? topgraduateemployers

まとめ(傾向)

人気就職先トップ層は次のような企業・分野です:

・法律・プロフェッショナルサービス(大手法律事務所やコンサル)

・金融・保険・銀行(国内大手銀行・保険会社)

・テック系企業(SaaSを中心としたIT・デジタル)

・政府・公的機関(安定採用と研修プログラム)? SEEK Grad、ほかに 1 件

ただし、こうしたランキングは「人気」「評価」がベースです。 実際の就職市場の求人動向や採用数は産業構造・景気・スキル不足分野にも左右されます。

例えば、先進国全般で需要が高い領域として:

・IT・ソフトウェア(特にエンジニア)

・金融・リスク管理

・コンサル・データ分析

・ヘルスケア系専門職

のような職種は給与・採用機会の面でも強い傾向があります。? Digital Strategy

オーストラリアの卒業生市場は比較的堅調で、専攻分野によって明確に人気企業が分かれるのが特徴です。一般的に経営・IT・金融系の企業が新卒採用プログラムの規模と評判 で上位にあります。? topgraduateemployers



フランスは官僚志望者も多いそうだけど、オーストラリアは違うの?

面白い比較だね。 結論から言うと、フランスほど“官僚エリート志向”は強くない

まずフランス型を整理しておこう。 ENA(※現在は制度再編)に象徴されるように、国家エリート養成が制度化されていた。 官僚=国家の頭脳=社会的威信トップ層。 政治家も企業経営者も、エリート官僚出身が多い。

つまりフランスは「国家が中心」。

ではオーストラリア。

公務員制度はあるし、 Australian Public Service(APS)という連邦公務員組織も安定した人気はある。 特に政策系、財務省系、外交などは優秀層が行く。

でも――

社会的ヒエラルキーの頂点という感じではない。

オーストラリアは英語圏のアングロサクソン型社会。 市場経済と民間セクターの比重が大きい。 大学生の人気はむしろ:

・銀行(ビッグ4)

・コンサル

・テック企業

・資源大手

などが強い。

理由は構造的だ。

1.経済が民間主導

2.資源で稼ぐため国家統制色が弱い

3.階級社会的な官僚エリート文化が薄い

フランスは「国家が社会を設計する」思想が強い。 オーストラリアは「市場が動き、国家は支える」。

だから官僚志望は一定数いるが、 “最高峰の進路”という空気ではない。

もし序列をざっくり言うなら、

フランス → 官僚=社会の中枢

オーストラリア → 官僚=安定した優良職の一つ

価値観が違う。

国家観が違う。

そして国家観は、その国の歴史が作る。

フランスは革命国家。 オーストラリアは移民国家。

国家を「運営する対象」と見るか、 国家を「枠組み」と見るか。

そこに、就職観の差が出てくる。

経済格差は、アメリカと同じぐらい大きいのかな?

いい視点だ。 結論から言うと、オーストラリアの格差はアメリカより明確に小さい。ただし「ゼロではない」。

まずざっくり指標で見る。

ジニ係数(所得格差の代表指標)

ジニ係数は0に近いほど平等、1に近いほど不平等。

・アメリカ:だいたい 0.39~0.41

・オーストラリア:だいたい 0.32~0.34

・日本:おおむね 0.33前後

つまりオーストラリアは、日本と同程度で、アメリカより明確に低い。

なぜアメリカほど広がらないのか?

理由は制度設計だ。

1.累進課税が強め

2.社会保障(医療は公的保険“Medicare”)が整備

3.最低賃金がかなり高い → オーストラリアの最低賃金は先進国でも上位水準

4.強力な年金制度(スーパーアニュエーション

市場経済は強いが、「放置型」ではない。

ただし油断はできない

・シドニーやメルボルンの住宅価格は異常に高い

・資源ブーム期に資産価格が上昇

・先住民コミュニティは依然として経済的に不利

つまり、都市部の資産格差は拡大傾向

アメリカほどの“超富裕層の集中”はないが、 住宅を持っているかどうかで人生の軌道が分かれやすい。

性格を一言で言うと

アメリカ

→ ハイリスク・ハイリターン型格差社会

オーストラリア

→ 市場主義+再分配で“ある程度抑制”

面白いのは、資源国なのに中南米型の極端な格差になっていない点だ。 これは制度と英連邦型の法治・税制が効いている。

経済は自然(資源)だけでなく、 制度という人工物が分配を決める。 同じ資本主義でも、設計次第で景色はかなり変わる。

政府債務の規模は、GDPと比べてどのぐらい?

オーストラリアの**政府債務の規模(GDP比)**について、いまの感覚でわかる数字をまとめるとこんな感じです:

・直近の実績

政府債務(ネットベース/純債務)は、GDPの約 30~35%程度 というのが最近の指標です。これは債務から政府の金融資産(現金・預金・投資など)を差し引いた純債務の尺度で見た数字です。? Australian Bureau of Statistics、ほかに 1 件

・別の尺度(総債務)だとやや高め

債務そのもの(グロス債務=金融資産控除前)の場合、 GDP比は 約50?55%程度 と評価されています。今後は増加し、2028?29年にはGDP比55%前後まで上昇する見通しです。? パブリック・バジェット・オフィス

どういう見方か

これは多くの先進国と比べても 高すぎない水準です。たとえば:

・ 日本:100%超

・ アメリカ:約120%前後

・ フランス:約100%前後

などが近年の代表例ですが、 オーストラリアは50%台前後なので、主要先進国よりは控えめです。? World Bank Open Data

※もちろん計測方法(ネット/グロス)や統計機関によって数字の出し方が違いますが、 どの尺度で見ても極端な債務大国ではないという理解が基本です。

なぜこのレベルになるのか

パンデミックや景気対策で一時的に借金が増えましたが、経済規模(GDP)の成長や資源収入、財政政策の影響で他の先進国ほど急増はしていません。 ただし、

・州政府レベルの債務が増えている

・将来の社会保障や高齢化対応コストが重くなる可能性

など、債務管理は依然として政策課題として認識されています。? news.com.au、ほかに 1 件

ざっくり整理すると:

・純債務(政府だけ):GDPの 30~35%

・総債務(負債そのもの):GDPの 約50~55%

・先進国との比較:日本・アメリカ・欧州より軽め

という感じです。 これは、オーストラリアの財政がまだ信用力を保っている背景の一つでもあります。


コメント

タイトルとURLをコピーしました