国際情勢

国際情勢 国際情勢

国際政治の思想

外交の世界にも政治思想がある。

もっとも代表的なものが、リアリズム VS リベラリズムだ。

リアリズムはアナーキー(無政府状態)をその発想の発端としている。つまり国際社会を無政府の、むき出しの力と力がぶつかり合うジャングルのような状態と見なしている、ということだ。

よってリアリズムは、「勢力均衡」によって平和(疑似的平和)の状態を作らないといけない、と考える。ある程度力を持った国(勢力圏)同士が均衡を保った国際情勢をキープすることができれば、戦争を起こりにくくすることができる、結果的に平和を保てるという考え方だ。

19世紀のヨーロッパは、ナポレオン戦争後のウィーン体制の下でヨーロッパ協調を実現したとされ、普仏戦争、クリミア戦争はあったものの、それ以外は大きな戦争を起こすことなく、平和な期間を比較的長くキープすることができた。これはリアリズムの成功事例とされる。

現代のリアリズムの特徴的な考え方の一つとして、国連を信用しない、というものもある。実際、国連は世界の警察官というにはほど遠く、国際紛争を速やかに解決できた事例はほとんどない。これは安全保障理事会の常任理事国がそれぞれ拒否権を持っており、一カ国でも拒否した場合は決議が成立しないため、意思決定がマヒ状態に陥ってるためである。結果として国連軍が機能的に組織されないため、国際社会はほぼ警察官不在の状況と言ってもよい。

第二次大戦以降、アメリカが国連の代わりに世界の警察官を務めるような状況が長らく続いてきたが、アメリカの相対的パワーが落ちていると言われる今、国際秩序を保てるかが課題だ。

リアリズムの代表的論者はモーゲンソー、E.H.カー、キッシンジャー等だろうか。

参照文献、おススメ文献:
「国際政治」高坂正堯 中公新書

「国際政治とは何か」中西寛 中公新書

「国際秩序」細谷雄一 中公新書

「外交戦」高橋洋一 あさ出版

「東大白熱ゼミ」小原雅博 Discover

「グローバル社会の国際関係論」山田高敬 大矢根聡

「三酔人経綸問答」中江兆民 岩波文庫

「国際政治」モーゲンソー 岩波文庫

「危機の二十年」E.H.カー 岩波文庫







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リベラリズム

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