選挙制度の考え方

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「選挙区制」と「比例代表制」

選挙制度は大きく「選挙区制」と「比例代表制」に分かれる。

「選挙区制」は「多数代表制」とも言われ、その社会の中で多数の勢力を国会に送り込む制度と考えることができる。

「比例代表制」は政治に対する少数意見を代表する勢力も、その勢力の有権者に占める割合に応じて議席が与えられるべきだ、という考え方に基づくものである。

様々な選挙制度があって一見複雑に見えることもありますが、基本的には上記の2つです。これを組み合わせたり、それぞれの選挙制度の中身を検討する中で、結果的にやや複雑な制度になってしまうこともある。

日本では戦後1993年まで中選挙区制という選挙制度が採用されたことがあったが、これは日本独自の制度と言ってもよく、基本的に「選挙区制」は「大選挙区制」と「小選挙区制」に分かれるのみ。

「大選挙区制」は「小選挙区制」の集合体と言ってもよく、例えば5人の議員を選出する選挙区においては、選挙で有権者に5名の候補者の名前を書いてもらう、「連記制」となるのが国際スタンダードな考え方とのこと。日本のかつての中選挙区制は大選挙区制の一種であるにも関わらず、例えば5人選出、3人選出といった選挙区においても、総じて単記制(選挙で有権者に1人の候補者名のみを書いてもらう)を採用していた。この点でも日本の特殊な制度ということができる。

選挙区制、特に「小選挙区制」においては、各選挙区において1人だけの候補者が当選する仕組みだ。仮に3人の立候補者Aさん、Bさん、Cさんがいて、Bさんが30%の票を獲得し、Cさんが20%の票を獲得できたとしても、Aさんが残りの50%を獲得していれば、Aさんのみが当選できることにななる。BさんCさんに投じられた50%分の票は「死票」と言われる。極端に言えばBさん、Cさんを応援した有権者の民意は政治に反映されない、ということになる。

この小選挙区制には死票が多い、ということが問題視された結果として、比例代表制との組み合わせで選挙制度の全体が検討されることが多い、というのが現状だ。

比例代表制においては有権者は基本的に、選挙で「政党名」を書いて投票し、政党は得た票数に応じて政党内の名簿から当選者を決定するという仕組みだ。少数の票しか取れなかった政党でも、全体の中の得票数に応じて当選者を決められるので、小政党でも議員を国会に送り込みやすい制度と言われる。

「日本の選挙」加藤秀治郎 中公新書








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