日本維新の会

日本維新の会 日本維新の会

日本維新の会は大変ユニークな政党である。野党なのだが右寄りのスタンス、そして改革志向が強いという性格がある。

小さな政府を実現して、昭和の時代に日本に積もり積もった規制を改革し、スリムな行政を実現し、今の時代に合った政策を効率よく進めていける政府を実現させたい、というのが彼らの強い願望なのだ。

こう書くと合理的で何も悪い所はないように思える、が彼らが人気が高まりつつあると言えど、未だ全国規模で圧倒的人気を確保できない所が政治の難しい所だ。

改革志向の強いギラギラした政党だけに、所属議員も個性のユニークな人ばかりである。

国会議員の中には学生時代から超優等生だった人も多いが、維新の場合は一味も二味も違って、勉強ができてかつスポーツ万能、文化祭のイベント主催やバンド活動などもこなしてしまうといった、とにかく多彩で派手でモテモテキャラ、こういった目立つ人が多いイメージだ(イメージですがだいぶ違っていたらすみません・・・)。

あるいは学生時代、「先生、ボクにはその話はよく分かりません。もっと分かるように説明してください」と教室の空気も読まずに先生に突っかかっていく、変わり者キャラが1人くらいいなかっただろうか?維新にはそういう議員さんが多い、という言い方もできるかもしれない。

国会議員の中には「とにかく権力を握りたい」「日本の国柄をしっかりと維持させたい」「社会のおかしな所を変えたい」「社会的弱者に手を差し伸べたい」といった様々な願望があるものだ。これらの願望は大なり小なり1人1人の国会議員が持っているかもしれないが、議員によってそれぞれの願望の強弱は大きく違うはずだ。

維新の議員さんたちは、「社会のおかしなところを変えたい(不合理・非効率なところを変えたい)」という願望がとにかく強いのである。少なくとも私にはそんな風に見える。だから社会の無駄が許せない、社会の無駄を極力排除したい、そしてやるべき政治課題をスピーディーに次々と解決できる社会にすべきである、とそう考えるのである。だからユニークな優等生が多い、という言い方もできるけど、とにかく「合理主義者」が多いのである。

私は昔、優秀な戦略系コンサルタントが次々に政治家に転身して、企業コンサルティングと全く同じように、日本社会の課題をバッサバッサと分析、問題解決していけば、あっという間に政治課題なんて解決できるんじゃないか?と夢想したことがある。しかし何のことはない、コンサルタント集団のような政党はとっくに実在していたのである。それが日本維新の会だ。しかし現状の彼らが優秀なコンサルタント集団かどうかは、有権者の評価にゆだねられている、としか言えないだろう。

維新の原点・橋下徹

維新の出発点と言えば周知の通り、元はタレント弁護士だった橋下徹さんが政党の名乗りを上げたことだ。大阪維新の会という地域政党がそのはじまりである。そして維新の最大の公約は、これまた周知の通り、「大阪都構想の実現」だった。これも大阪府と大阪市の二重行政を解消したい、という維新らしい「無駄の排除」「効率的な行政」が具体化された公約だった。しかし大阪都構想は何も橋下さんが目立ちたくて突然言い始めたわけじゃなく、大阪行政に詳しい政界の大物の多くは、似たような問題意識を持っていたのである。まずかつての府知事、太田房江氏が府と市の二重行政は問題であると強く認識していた。太田も都構想を温めていたようだが、太田に都構想案を授けたのは細田博之氏であったという。また橋下さんや松井さんがゴリゴリに都構想の住民投票の準備を推し進めていたころ、菅義偉元首相も盛んに応援エールを送っていたとされる。

大阪都構想

できればいずれ別に章を割いて詳述した方がいいと思うが、大阪都構想は大阪府全域の行政改革をする、というわけではなく、大阪市を廃止して、その中に新たな行政区画の「区」を新設する、というものだった。本当に、大阪市域だけの改革案だったのである。私はこれを知った時、「メディアがあれだけ大騒ぎした割には、案外小さな改革案だったんだな」と思った(賢明な方はもちろん、都構想はそういうものだと最初から分かっていただろうが・・・)。まさに、かつて東京市を廃止して東京24区を作った東京都と全く同じ方向性を目指していたのである。東京でできるのであればほかの大都市でもできそうなものだし、東京都知事のような大きな権限を持ったリーダーが、大阪全体の行政を取り仕切れるのであれば確かに効率的だと思う。都構想が実現できなかったのは、大阪とゆかりのない外部者から見ると不思議な気もするが・・・大阪市が無くなる、というショッキングなイメージ、また大阪市内を新しい行政区画に仕切り直しても、行政がさほど効率的になるわけではない、といった反対派の主張が、かなり効いたらしい。都構想については2015年5月17日、2020年11月1日と2回にわたって住民投票が実施されたが、2回とも僅差で否決されている。

維新八策

維新は国政進出を決めたときから、国政政党としての理念と基本方針の策定作業を進め、看板方針として維新八策を掲げた。
①統治機構の作り直し
②行財政改革
③教育改革
④公務員制度改革
⑤社会保障制度改革
⑥経済政策・雇用政策・税制
⑦外交・防衛
⑧憲法改正

日本大改革プラン

さらに維新は具体的公約・政策ヴィジョンとして「日本大改革プラン」なるものを発表している。
3本柱は以下の通りだ。
・社会保障改革
・規制改革
・税制改革
社会保障改革については、年金などの現行の社会保障制度を一律でベーシックインカムに作り替えるとしている。企業中心の年金制度だと、フリーランスの労働者が十分な年金支払いができにくい、また企業にとっても負担になりやすい、さらには企業労働者も含め現行の年金制度には将来どのくらいもらえるかわかりにくい、という問題意識から、国民一律のベーシックインカムへの移行が望ましいとしている。
規制改革については、様々な規制改革があるが、維新が特に注目しているのが「解雇規制」である。現行の労働規制のままだと、正社員が手厚く守られている一方で非正規雇用の労働者は所得の大幅上昇が見込めず、社会保障の不安にもさらされ続ける、という格差が固定化されている。さらに、正社員優遇があるがゆえに大企業に貼りついた労働者は他社への転職に躊躇しがちなのである。そこで維新は企業と労働者の話し合いを前提とした金銭解雇を認めた上で、再就職支援などのセーフティネットを整備し、労働市場の流動化を図りたいと考えているのである。
税制改革も、問題意識の発端は格差である。金融所得への税率が低いことや資産課税が甘いことを問題視しており、大雑把に言えば資産家から徴収して一般労働者、起業家等の負担を比較的軽くする方向を志向しているようだ。
この内容をわかりやすく解説したマンガ版「日本大改革プラン」は必見である。

維新の歩み

2010年 大阪維新の会結成。橋下徹、松井一郎、自民党を離党した大阪府議、大阪市議、堺市議などが中心。
2011年 大阪府知事、大阪市長選挙のダブル選挙で松井一郎が大阪府知事に、橋下徹が大阪市長に、それぞれ初当選。
2012年 大阪維新の会を母体とした国政政党、日本維新の会が結成される。
     石原慎太郎率いる太陽の党との合流が発表される。
2014年 江田憲司率いる結いの党と合流。太陽の党メンバーは離党して次世代の党を結成。
2015年 維新の党とおおさか維新の会に分裂。
     大阪都構想の住民投票が否決され、橋下徹が政界引退を表明。
     大阪府知事選挙、大阪市長選挙にて、松井一郎、吉村洋文がそれぞれ初当選。
2016年 維新の党は民主党に合流し、民進党となる。
2019年 松井一郎が大阪市長選挙に、吉村洋文が大阪府知事選挙に立候補しそれぞれ当選。
2020年 2度目の大阪都構想の住民投票が否決される。

参照文献:

「解剖 日本維新の会」塩田湖 平凡社新書

「政権奪取論」橋下徹 朝日新書

「大阪から日本は変わる」吉村洋文 松井一郎 上山信一 朝日新書

「国会という茶番劇」足立康史 ワニブックスPLUS新書



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日本維新の会の幹部

日本維新の会の著名議員

日本維新の会の著名議員の一部をご紹介したい。 代表  馬場 伸幸 生年月日:1965年1月27日 出身地:大阪府堺市 学歴:府立鳳高校 若い頃は関西地区でロイヤルホストを運営していた。中山太郎参議院議員の秘書を経て...
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