エネルギー政策

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日本のエネルギー概観

日本のエネルギー構造の現状を概観すると、周知のことではあるが、東日本大震災以降、原子力発電の割合が減り、その分を埋め合わせる形で化石燃料が大きく伸びているということだ。

資源エネルギー庁パンフレットより

上図はあくまでも全体のエネルギー構成で、電力用のエネルギーの他にもガソリン燃料なども含まれている。

電源構成は以下の通りだ。

電力は供給できている、別に時々停電が起こるわけじゃないということで、「原発が無くても大丈夫じゃないか」という言説が流行ったこともあったが、もちろんこの構造も大きな問題を抱えている。見たとおりだが、日本の電源は現状、化石燃料に大部分を依存している。これは70年代の石油ショックの時も言われたことだが、中東で政治的混乱などは発生したときに、エネルギーを確保できるか保証できない、その意味で脆弱な体制ということができる。また、輸入の話なので為替なりその時々の化石燃料の相場によって、極端なコスト高になる恐れがある。ここ数年はまさにその通りになっている。エネルギー全体で言えば、日本は化石燃料の輸入に年間20兆円近くを費やしている。また、化石燃料は二酸化炭素を排出する。2021年の米国主催気候サミットで、2030年度に2013年比で46%の二酸化炭素削減目標を提出している。いわゆるカーボンニュートラルの目標だ。二酸化炭素の排出を大幅に減らすには、火力発電の使用量を減らして、原子力発電の利用割合を増やすか、再生エネルギーの活用を増やすしか、ほぼ選択肢がないと言っていいだろう。

参照、引用元(以下、このページだけでなくエネルギーの章全体の参照文献を含む):

「エネルギー・シフト」橘川武郎 白桃書房

「カーボンニュートラル超入門」前田雄大 技術評論社

「電力改革」橘川武郎 講談社現代新書

「間違いだらけのエネルギー政策」山本隆三 ウェッジ

「エネルギー産業 2030への戦略」竹内純子 日本経済新聞出版




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