リベラルの逆転

「右派」/共同体(国家)優先、「左派」/個人優先と書いたが、これはあくまでも右と左に分け始めた19世紀の分類法のようだ。

1929年に始まった世界恐慌の影響は大きく、アメリカの失業率は25%にも達した。しかしソ連は独自の社会主義体制を構築しており、世界恐慌の影響をほとんど受けなかった。これに影響され、西側諸国でもソ連型の計画経済を礼賛する声が広がっていった。

アメリカではルーズベルト大統領の実験的な社会主義政策「ニューディール」が始まった。ルーズヴェルト曰く「自由放任の古典的な自由主義が貧富の差を拡大し、個人を不幸にした。国家が責任をもって、個人の生活を守るべきだ。社会保障をしっかりと提供し、一人一人の生活の面倒を見るべきなのだ。これが本当のリベラルだ」。ここでリベラルの逆転が起こったようだ。

アメリカ国内ではそれに対抗して「個人の自由を尊重し、福祉は最小限に抑えて減税を要求する。小さな政府を求める」というリバタリアンの思想が生まれた。これが現在のアメリカにおける「保守主義」ということらしい。

19世紀の保守/リベラルとはやや逆転した関係性になり、それが日本にも輸入されて混乱している、と嘆く知識人も多いようだ。

コメント

  1. らくだ より:

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