ミクロ経済学

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経済学は膨大な理論の体系であり、素人が本1冊読んだくらいでは到底理解できるものではない。ただ、「要点を分かりやすく~」的な本は何冊も出ている。ここでもそういう本にならって、ポイントだけをかいつまんで説明するよう試みたい。まあ、ほんの一部の概念のベタ貼りになってしまうかもしれない。プロの経済学者からは批難轟々となってしまうかもしれないが、批判は甘んじて受けるしかないだろう(汗)

まずミクロ経済学の基本概念は、経済に多少興味のある人にとってはお馴染みの、需要供給曲線である。

需要曲線はその商品を「安ければたくさん買いたい」「高ければ少なめの購入にとどめたい」というごく自然な購買者の感覚を、価格と数量の相関関係としてグラフに表したものだ。

供給曲線は企業にとっての、「より高いものをたくさん売りたい」「安いものはほどほどの売れ行きで構わない」という販売者にとってのごく自然な感覚を、これまた価格と数量の相関関係としてグラフに表したものだ。

そしてこの2本のグラフを重ね合わせると、購買者と販売者、つまり需要側と供給側のお互いの要望の一致点が見いだされることになる。このグラフだと500円で5個であれば購入者側も「買ってもいい」販売者側も「売ってもいい」と考えているということだ。

その商品の値段が500円に決まったら「1000円で買う」と決めていた消費者は500円、「800円で買う」と考えていた消費者は300円、より安く買える。このように、消費者にお得が出ている分を「消費者余剰」という。

反対に、「100円で売る」と考えていた生産者は400円、「300円で売る」と考えていた生産者は200円、より高く売ることができる。こうした生産者のお得の分は「生産者余剰」という。

この応用でTPPの利点を考えてみたい。ある農産品市場で関税などの貿易制限があると、海外からの輸入が無く国内供給だけの単純なケースをまず考える。その場合の供給曲線はS1であり、消費者余剰と生産者余剰を足し合わせた総余剰は三角形A・B・E1となる。細かく言うと消費者余剰がA・P1・E1であり、生産者余剰はP1・B・E1である。

そこで貿易制限を撤廃し貿易自由化を行うと海外からの輸入が増えて、供給曲線はS2となる。価格はP2まで下がり、取引数量はQ2まで増える。この場合、消費者余剰は三角形A・P2・E2まで拡大する。国内生産者余剰は三角形P2・B・Dだ。海外生産者余剰は四角形B・C・E2・Dとなる。

貿易自由化によって打撃を受けるのは国内生産者であって、その損失額は台形P1・P2・D・E1で表される。一方、利益を受けるのは国内消費者と海外生産者であり、利得額はそれぞれ台形P1・P2・E2・E1、四角形B・C・E2・Dで表される。

しかしながら、国内生産者の損失額の台形P1・P2・D・E1は、国内消費者の利得額の台形P1・P2・E2・E1より必ず小さく、国内消費者の利得額の一部で穴埋めできる。そうしても、国内消費者は貿易自由化の前より状況はよくなる。

さらに、海外生産者の利得は貿易自由化によって初めて得ることができる。貿易自由化は相互主義なので、ある農産品では日本は輸入ということなるが、ある工業品では日本は輸出の立場になる。そうなれば、農産品の海外生産者と同様に輸出者として利得を得ることができる。

以上から、国内消費者、国内生産者、それに海外輸出者のすべてのメリットを合算すれば、日本にとってメリットになり、そのメリットを国内で再分配することによって、誰も損しない状況を作ることができる。

以上、全面的に経済評論家・高橋洋一氏の解説を参照

「図解・経済学入門」

参照、引用元:

「図解 経済学入門」高橋洋一 あさ出版

「明解 経済理論入門」高橋洋一 あさ出版

「ミクロ経済学入門の入門」坂井豊貴 岩波新書

「新スーパー過去問ゼミ ミクロ経済学」資格試験研究会

おススメ文献:
「ミクロ経済学の力」神鳥道宏 日本評論社





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