23年10月

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23.10.24 岸田首相の所信表明演説

臨時国会の岸田首相の所信表明演説を新聞紙上で読みました。ニュースを切り取って見ているだけだと、岸田首相、支持率UPのためにアタフタしてるのかな?とちょっと心配な感もありましたが、いやはや、この所信表明演説はよくできていると思いましたね。

最近の岸田政権で一番注目されたのが、税収の上振れ、余裕財源ができたことを何に使うのか?という話題だったでしょう。給付金か何か?いっときの議論を経て所得税減税に落ち着いたようです。ただ、当たり前かもしれませんが、所信表明演説では余裕財源だけにこだわることなく、経済全般への見通しが書かれています。需給ギャップはある程度解消できているわけだから、今後は需要強化!需要強化!と言い続けるわけではなく、むしろすぐに供給力強化に切り替える。そのためのあらゆる種類の投資減税、イノベーション支援、スタートアップ支援を検討しているとのことです。やはり、需要強化ばかり志向してきたアベノミクス路線からは何とか転換を図りたい、との意志が透けて見えるようです。

話題の減税は、大きな経済政策の中の、「完全なデフレ脱却のための一時的措置」にすぎないとのこと。

それはさておき、私が一番感心したのは、「弱者への目線」が行き届いていることです。子どもの不登校やいじめへの対策を強化するとのことです。また、「認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議」というのもユニークだと思いましたし、よく考えていることが伝わるネーミングだと思いました。こういうのは、リベラル政党から見たらちょっと悔しいだろうな~という気もしました。「LGBT法案に続いて、俺たちのやりたいリベラル政策を奪いやがって・・・」という心境も、野党政治家さんにはちょっとはあるかもしれません(笑)

外交安全保障、憲法改正についても、まあ口悪く言えば、自民党の重鎮政治家であれば誰でも言えるような内容だったかもしれませんが、それでもよく考えていることが伝わる内容ではあると思います。国際情勢の危機意識は十分うかがえると思う。これは、リベラルでもあるしリアリストでもある、自民党政治家の真骨頂だと思います。

岸田首相、なかなかバランスがよくて、熟慮の政治家だと改めて思いました!

23.10.26 朝生の感想

10月20日深夜放送の「朝まで生テレビ」を動画で2回目まで見直しました。かなり議論が伯仲していて面白かったと思います。一番感じたことは、日本は依然として旧態依然とした大企業、重厚長大産業などが幅を利かせている社会であり、それはつまり従来型の大企業が強い政治力を持っているということでもある。だからこそ旧来型の政治、政策を延々と続ける状態がまかり通っているのであり、改革がなかなか進まないことにもつながる、という問題認識です。もちろん年齢構成的に高齢者のボリュームゾーンが大きいので、シルバー民主主義がまかり通っている、ということも言わずもがなです。

例えば消費税にしても、消費税に忌避感を持っている国民や政治家は大勢いる。それでも消費税が増税され続けてきたということは、「法人税を下げてほしい」という大企業の要望とのバーターであると見なすこともできるわけです。派遣法の解禁で非正規労働者が増えたこともそうです。「労働者の社会保障負担を減らして低コストの労働力を得たい」という大企業をはじめとする企業の要望に合致しているわけです。この辺りの大企業批判に関しては、共産党の山添拓さんの意見はさすがに鋭いと思いました。

女性の政界進出がなかなか進まない、ということも改革の遅れの一つです。神保さんの「本気で改革する気がないだろう!」という意見は痛烈でした。

また、選挙制度改革の話はなかなか深みがあったと思います。国会議員の皆さんは選挙制度についてそれぞれ、大なり小なり問題意識を抱えている。そして、朝生はややリベラル寄りの番組だと思うので当然かもしれませんが、比例代表に比重を置いた選挙制度に変えていった方がいい、という意見の方が強いように見えました。維新の会の議員などは、完全小選挙区制と、政権交代が可能な二大政党制を主張しているわけですが、この場では必ずしもそういう意見は大勢ではなかったように見えます。「政権交代しなくても、多様な意見が国政に反映されるならその方が望ましい」との意見が増えつつあるんでしょうか?だとしたら小選挙区を導入した当時からは、かなりの意識変化があるのかもしれません。

ただ視聴し終わって見て・・・これはYahoo知恵袋などにも質問掲載しているところですが、積極財政を主張するたがや議員などの論客はいるんですが、緊縮財政について詳しく解説する人がいない。また、物価高対策が大テーマの一つになっているにもかかわらず、「金利を上げられない日銀」についての議論が登場しないんです。これはすごく不自然だと思いました。

積極財政を主張する論者が大勢いるにも関わらず、政府がなんで大規模な財政出動をなかなかやらないのか、というといわずもがな、膨大な累積赤字がすでにあるからです。今でさえ、利払い負担が増えるから利上げは難しいと言っているのに、これ以上国債を増やしてしまうと将来の利払い負担をさらに増やしてしまうことになります。

そういう財政のリスク、金融政策が縛られているリスク、そういったことについて、オープンな議論の場で一切の言及がないというのはすごくバランスが悪いと思いました。もしかしたら国会議員さんたちはすでに、こういう話題を表立って口にしにくい事情を抱えているのでは?と勘繰りたくもなります。

長期金利も徐々に上がり始めて、金利はどこまで上がるのか?と不安に思っている人もいると思います。ぜひぜひそういう所を、もっと表立ってこういう場所で議論していただきたいと思います。

 

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