23年11月

23.11.11

二松舎大学の公開講座「戦争と国際社会を考える」を受講してきました!
なかなか興味深く刺激的でした・・・!!と言いたいところですが、なかなか高度な講話過ぎて、ちょっと今思い出しながら書こうとしても書きづらいところがあります(汗)

元外交官で国際司法裁判所裁判官も務められたという小和田先生という方が講演をされたのですが、その方のお話が特にハイレベルで洗練!!という感じだったんですね。

とりあえず特に印象に残ったところだけでも取り上げると・・・

国際法の世界というのは、まず原点として1648年のウェストファリア条約があり、そこで主権国家同士が互いの内政に干渉しないで関係性を保って行こうという原則が確立された。ただ、世界には大きな主権国家と小さな主権国家、強い国と弱い国の別もある。そういったパワー格差のある国々がどうやったらうまく関係性を築けるか?ということはウェストファリア条約では保留にされたままだった。それが1928年の不戦条約辺りでかなり現代の国際法に近いルールにまとめ上げられてきた、とのことでした。

世界に世界政府という他律的な仕組みがあれば、「困ったときは世界政府に頼もう」という、上の組織に訴えるという方法が取れるかもしれないが、当分の間、世界政府は実現しそうもない。とすると、主権国家同士が上手い関係性を維持するという、自律的な仕組みをいかに向上させていくか?そこを考え抜くしかない、とのことでした。

また、これは小和田先生に限らず小泉悠先生や二松学舎の先生方を含めて話されていたことですが、国連というものの「意義付け」は確かに難しい。国連があっても、紛争は世界のアチコチで起こってしまう。ただ、紛争を防ごうとか、起こってしまった紛争を早く収束させようとか、メッセージを発し続けることも重要だし、とにかく各国の代表が集まって、どの国も差別されることなく、すべての国が代表を出席させ合って意見を交換する場所があることの意義は大きい。それによって、二国家間で関係がこじれてしまった場合も、より広い国際会議の場で、他の国に仲介に入ってもらうなどして解決の糸口が見つかることもある。だからこそ、国連が必ずしも紛争を無くす強制力を持っていなかったとしても、「国連が無くてもいいじゃん」ということにはならない。国連の意義は大いにある、とのことでした。

また、小泉悠先生の話で印象深かったのは、プーチンがもし、ソ連の勢力範囲を復活させたいとの強い意志を持ってこの戦争を始めたのだとしたら、ウクライナの領土を18%程度支配している今の状態で戦争に結論を下すことは考えにくい。プーチンの立場で考えれば、ウクライナ内にもっと領土を広げないと、とても満足できないのではないか?だからそう考えると近いうちにこの戦争が終結することは考えづらい、少なくともあと3,4年以上は戦争が続くことも大いにあり得るのではないか?と話されていたことでした。なかなか恐ろしい見立てだと思いましたが、確かにリアリティも感じました。

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