23年7月

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23.7.8

今回の朝生も刺激的だった。6月30日深夜の「朝まで生テレビ」をザッと早送りで3回目まで見た。

その回にもよるが十分刺激的な討論を展開している番組だと思う。番組や田原さんにバッシングする人たちの感覚は私にはよく分からない。

それに、世に政治家への悪口は多いが、この番組を視聴する人が増えれば、もう少し政治家を素直に応援したくなる国民も増えるのではないか?多くの政治家は、傍から見ていると呆れるほどに生真面目で前向きである。

ただ、刺激的な議論だ・・・と思いつつも、繰り返し見ているうちに暗澹たる気持ちが心の中に湧き上がるのも事実である。

昔から分かり切ったことかもしれないが、政治家の主張というのはほぼ全てと言っていいほど、新たな歳出を伴うのである。「Aの問題があるからAの政策が必要だ」「Bの問題があるからBの政策が必要だ」「Cの・・・」と、政治家の口からツラツラと挙がっていく問題点を聞いていれば、日本の現状にどんな問題があるのか、頭を整理するのには役立つ。「日本の論点」を読んでいるようなもので、政治家が世の中の問題をよく点検していることは分かる。しかし、その全ての問題に手当てをしようと思うと、当然ながら新たな歳出が膨大な規模になってしまうのである。

例えば今回の討論においては・・・

・この20年で非正規労働者が増え過ぎたので国民の購買力が落ちている。非正規労働者の待遇を正社員に近づける工夫が必要だ。

・なんで経済成長しないのか?消費税を下げるべきではないのか?国民の可処分所得が上がれば、景気が上向く余地も増えるだろう。

・公立学校の先生の質を高めるために、先生の待遇を上げる、つまり残業代を払うことを含め、給料UPが必要。

・・・等など。これらは全て財政出動を要求する提案だ。

どうやって財源を調達するのかというと、法人税のUPや所得税の累進税率の強化などのアイデアが挙がるが、これは数10年前から言われてきた歳入改革案で、変わり映えしないというか、歳入確保策に奇策はないということだろう。何か奇策があるんじゃないか?という経済政策ウォッチャーの念が結晶化したものがMMTとも言えるのではないか?

しかし日本の財政を取り巻く現状を見ると、ピックアップコンテンツ「財政は大丈夫!?」でも取り上げたように、日銀が利上げをできずに苦しんでいるように見える。利上げできないというのはつまり、日銀内部に積みあがった国債を吐き出せないということだ。これ以上国債を増発して(増発スピードを上げて)大丈夫なのか?という疑問が、少なくとも私の頭にはよぎる。

岸田首相も防衛費増大や少子化対策など、やりたい政策は次々にハッキリしてきているようにも見えるが、財源がハッキリしない。財務省と懇意にしていると言われる岸田首相のことだから、堂々と増税を打ち出してもよさそうな気もするが、今回の朝生のようにむしろ「国民の可処分所得を減らすな!むしろ増やせ!」という声も大きい。それで官邸としてもどうしても、大胆な増税策に踏み切れないのではないか?しかし目玉政策の防衛費増大や少子化対策ですら財源確保に悩んでしまうようでは、それ以外の政策に大きく振り分けられる予算など最初から無いに決まっている、ということになってしまう。

日本の政治は本当にジレンマが深くなってしまったと思う。いつの時代の政治家もジレンマに悩まされるはずだが、今ほどジレンマが極端な時代も珍しいのではないか?

個人的には、立憲民主党の小川淳也さんの語りが冴えわたっているように見えた。旅館業に関する法律で、超党派のキレイな合意が成立したとのこと。与野党の対立ばかりでない、協力するところは協力し合える政治文化を醸成していくことも必要だ、という小川さんの意見には深くうなづける気がした。

↑すみません、前月の投稿では、この投稿ページは「ですます調」で書こうかなと思っていたのですが「である調」に戻ってしまいました(汗) 「である調」の文章は権威主義的な大学教授のようなエラソーな雰囲気が漂っていて、反発を覚える方もおられるかと思います。ただ自分で何度か長い文章を書いてみて痛いほどわかったのですが、「である調」の文章を書く方がはるかにラクなのです。作家さんなどで、いつも「ですます調」で文章を書いている方は本当にしっかりしていると思います。「である調」の文章を止めろ!みたいな批判が増えるようであれば、そのときまた考え直そうかな、と思います(汗)


23.7.11

世田谷区千歳烏山駅前の烏山区民ホールで開催された、参政党代表の神谷宗幣さんの講演会に行ってきました!明日の仕事の準備などもあるのですが熱が冷めないうちに書いておこうと思います(汗)

私自身の性格の最もみっともない所の一つが若干僻みっぽいところだと思うのですが(自分では大量に僻みっぽいとは思っていない)、今回もちょっとだけ神谷さんにジェラシー抱いてしまいました(汗)。「くそ~このおっちゃんだけ活躍しやがって・・・」という気持ちが一瞬だけ湧いちゃいました・・・。が、全体的に見て神谷さんはものすごく爽やかでものすごく魅力的な人でした。新興政党の代表を務められる人であることが、深く納得いきました。逆に言えば、見る人にジェラシー感じさせるほどに、魅力的なエネルギーにあふれた人であるということです。

私より1個年上のおっちゃんのはずなんですが、割と高齢の方の多い聴衆の皆さんからは、神谷さんは「青年」に見えていたはずです。そのぐらい若々しいエネルギッシュさにあふれた人でした。

肝心の講演の内容なんですが、私がやや心配したほどには、コテコテの保守という感じには見えませんでした。噂されているほど、コテコテの陰謀論者にも全く見えませんでした。が、それも程度問題で、ある程度保守であることは間違いないし、若干陰謀論の色が混じっていることは確かだと思います。

神谷さんのルーツは維新の会とも若干かぶっているようで(細かい所までは覚えていません)、議員活動を始めた当初は、橋下さんや松井さんとも直接の接点を持っておられたそうです。ただ、維新の活動の原点は「大阪のベイエリアの開発」だということで、「身を切る改革」等も併せて、「選挙ウケ」を狙ってやっているようにしか見えなかったとのこと。それで「維新とは組めません」とキッパリ伝えて、松井さんにはずいぶん怒られたこともあったそうです。生前の安倍さんからも声をかけられて自民党から立候補したこともあったようですが、既存政党とは早々と組みたくなくなった、ということでした。そのわけは本職の議員さんたちが、思ったよりも視野の狭い人が多く、目先の選挙対策ばかりに汲々としている人が多いことに嫌気がさしたからなんだそうです。

若い頃は2年ほど高校教師もされていたということで、神谷さんの中では一貫して「教育をやりたい」という気持ちが強かったとのこと。それも、既存の学校の中で教育をやりたいというワケではなく、むしろ既存の学校を全否定に近いくらい否定しているのです。点取り虫のような成績がいいだけの学生を量産しても、日本の将来をよくするためには役に立たない、上に立つ人間に上手に使われる「奴隷」を量産しているようなものだ。と、神谷さんは刺激的な言葉も使いながら訴えかけます。

既存の政治に幻滅した神谷さんは一時は政治を離れ、関西の一地方?でひたすらYouTubeの発信活動をしたり、コミュニティを作って独自の教育活動をされていたとのことでした。しかしある時神谷さんを慕ってくれる人から「アンタ、自分の周りだけよければそれでいいのかい?」「自分の身近な子供だけ救えればそれでいいのかい?日本全体のことは考えてくれないのかい?」と問いかけられ、再度政界にチャレンジすることを決意されたとのこと。

神谷さんは、「日本を大切に~」とか「ワクチンは危ないのでは~」とか色々な話題を提供してくれますが、一貫して「自分は○○のポジションを取りたい」というような、強いイデオロギー的な意見はもっていないんだそうです。神谷さんが一貫して強く言いたがっているのは、「日本人は自分の頭でよく考える人間になってほしい」ということ。日本人は受け身の教育ばっかり受けさせられて、上からの意見に流される人が多いように見えて仕方ないんだそうです。このままだと大半の日本人は、どこかからの意見に流される人ばっかりになってしまう。それだとこの先も、アメリカや中国の影響がもっと激しい勢いで日本に入ってきた場合、日本人はますますそれらの国の影響に流されてしまう、それを神谷さんはとにかく心配されているようでした。

言いたいことはすごく分かる気がします。ただあえて醒めた目で見ると・・・「流されちゃいけない」「日本の原点を大切にしてほしい」という気持ちが強すぎるあまり、外来のモノを過度に危険視しすぎてるようにも見え、また日本の歴史を若干美化しすぎているようにも、見えました。

ただ、神谷さん本人が、既存の政党にも流されず、「自分の考えはこれだ、自分の考えはこれだ」ということを突き詰めてきた人なので、「自分でよく考えてほしい」という話に説得力はあります。

・・・神谷さんの魅力を伝えてきましたが・・・同時にすごく奇妙な感覚にも囚われました。それは「カリスマの影響力は強すぎる」という感覚です。神谷さんはハッキリ言ってカリスマです。神谷さんの意見が正しいか正しくないかは極端な話置いといてでも、神谷さんのキャラクターが魅力的だからこそ、聴衆は聞き入ってしまう部分が大きいのではないか?とちょっと思ったのです。もしかしたらその場にいた聴衆の多くの人は、山本太郎さんの講演を聞きに行っても、同じように拍手してしまうかもしれません。カリスマの魅力に吸い寄せられすぎるのも危険じゃないか?とちょっと思ったのです。逆説的な言い方をすれば、神谷さんの魅力にどんなに惹かれたとしても、神谷さんからも一歩引いて、神谷さんの言うように、自分の頭で考える姿勢が大事なんじゃないか?と思いました。





23.7.15

政治とは直接関係ないかもですが・・・雑記。

自分ではなかなかの活字中毒だと思っています。プロの学者さんやジャーナリストさんにはもちろんはるかに負けてるでしょうが。

一度、田原総一朗さんの部屋の中がドキュメンタリー番組か何かで紹介されたことがありましたが、本だらけでとんでもない乱雑さでした!これだけ乱雑にしてて、よくジャーナリズム界のトップシーンで活躍できるなと思いますが・・・まあ学者じゃなくてジャーナリストだからあれでいいのかもしれませんね。ともかく、あの気持ちだけはよく分かります。世間の全てのことを大雑把にでもいいから頭に入れておきたい!と思えば、乱読するしかないですもんね。

私が個人的に一番尊敬している(尊敬していた)人物は、やはりジャーナリストの立花隆氏でしたが・・・(亡くなられたときの報道がちょっと断片的すぎるようで寂しい思いをしました)。あの人もなかなかの活字中毒でした。これもやはりスマートな学者さんなどと違って、乱読ぶりがすごくて、その乱読ぶりを公言してるところがあの人のキャラとして面白かったですね。

一方で世間では活字離れと言われることも多い・・・それは私のようなものにとっては意味不明??でしかありません。読書は問答無用の至上の楽しみとしか思えませんからね。出版不況とも言われますが、それも私にはよく分からない(汗)。面白い本は次々に出ていると思います。出版業界の方は、本当に頑張られているんでしょうね。

23.7.17

今日(16日)はなかなかギョッとしました。Yahoo知恵袋の政治カテを覗いていたら、「岸田は増税ばかり~」のような話題が多くて。「どういうこと?」ってYahooのユーザーさんから教えてもらいました。最初は回答するつもりだったのに。

どうも一般庶民には分かりにくいサラリーマン増税が進行しているようですね・・・このブログの所得税欄にも書いたことですが、サラリーマンの給与所得控除は元々大きめに設定されています。つまり大きな控除を差し引いて、所得を小さくすることができる。給与に比して小さめの所得に税金がかかるから、サラリーマンは大真面目に確定申告するのに比べたら、安めの税金で済んでいたわけです。どうも政府の税制当局は前々からそこを狙っていたようですね・・・サラリーマンはもう少し増税したって構わない、と昔から思われていたようです。社宅など従来は非課税のものが課税になる・・・だったかな?すみません、細かい所まで覚えていませんが(汗)、給与所得控除の見直しでサラリーマン増税の方向に話が進んでいるのは確からしいです。

インボイスと似た雰囲気を感じましたね~インボイスも一般庶民の理解が追い付かないうちに、なんとなく話が進んで行っていつの間にか課税、みたいな話ですよね。

やり方はセコイと思います。セコイと思いますが、本来はもう少し税金を払って当然の人たち、という見方をすることもできるので、政府の気持ちも多少は分かります。本当はもっと、「この方面の税金をこのぐらい上げます!」と堂々とアナウンスしないといけないはずなのに、それをしないというのは・・・もちろん増税は選挙の際に鬼門となるので、できれば避けたいというのは政治家の本音の一部としてあるでしょう。しかしやるならやるで、もう少し丁寧にアナウンスするべきですよね・・・

岸田首相も就任当初は金融所得課税をやる気満々のように見えたのに、さっと引っ込めて、その後は似たような議論すら復活しないのはどういうわけでしょうか?担税力に応じて取る、という税の基本原則から言えば、金融所得、金融資産に対して増税を課すのが一番合理的だと思います。株式所得に増税したら、一気に株安に転落してしまうのがそんなに恐ろしいのでしょうか・・・

23.7.31

今月の「朝まで生テレビ」もぶっ飛びの面白さでした。色々書きたいことがあるような気もしますが・・・「少子化対策」のページにも書きましたし、ちょっとだけ。

小幡績さんのまとめ的コメントが面白かったです。

日本だけじゃなく、ヨーロッパに比べるとアジアはどこの国も少子化対策が間に合っていない。それは社会に「家族認識」に対するジェネレーションギャップが残りすぎていて、男女の役割が大きく変わりつつある時代なのに、制度を変えるべき社会の権力層の認識こそがその変化に追いついていない、ということです。ヨーロッパは20世紀後半くらいに、もう「これからはこういう時代だよね」ということで制度を徐々に変えていったんだけど、日本を含むアジアはそれが追い付いていないということです。

女性もどんどん働いていいし、逆に男性は育休を取らないといけないし、もっと家事に参加しないといけない。夫が家に深く関わる家庭ほど子供が生まれやすいのだそうです。

そして、昔の「隣近所が助け合い」みたいな雰囲気が薄れている時代だからこそ、行政が、町全体が「隣近所のオジサンオバサン」の役割を果たさないといけない、とのことでした。預かり保育など、明石市でやっているような取り組みを全国に広めた方がいいだろう、とのことでした。

それと、「少子化対策」にも書いたことですが、家族そのものの多様性を認めた方がいいだろうとのこと。スウェーデンをはじめ、ヨーロッパには婚外子が50%近い国がいくつもあるようです。子どもを増やすには、事実婚を制度として認めた方がいいだろうとのこと。それにLGBTQ、ゲイカップルなども子どもが持てるのが当たり前、という雰囲気を作った方がいいのではないか?との話が印象的でした。



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