リベラリズム

リベラリズムは個人の自由や主体性を基本にし、個人や個人からなる社会集団を原点として国際関係を考える。個人と言っても必ずしもミクロな考え方ではなく、その目指すところは国際社会の共通利益や人類全体の利益の実現である。そのあたりが国益を中心視しているリアリズムとの違いだろう。

リアリズムの代表的考え方は大きく①市場リベラリズム、②制度的リベラリズム、③共和制リベラリズムに分かれる。

①市場リベラリズムは、貿易や資本の移動といった経済相互依存体制や条約などの相互依存関係が深まるほど、戦争によって失うものが大きくなるために、戦争を起こす可能性が低くなると考えるものである。ちなみに貿易の中でも、自由貿易を求めることが最良の解とされる。

②制度的リベラリズムは国際連合やIMF、WTOのような国際的な制度によって国際協調が達成されるという考え方である。目に見えやすい条約等以外にも、地球環境や人権などの各分野に見られる国際条約や協定、宣言等を含む一定のルールを国際レジームととらえ、国際レジームによって国際協調の可能性が広がる、と考える。

③共和制リベラリズムは民主主義国同士だと戦争は起こりにくいという考え方である。民主主義国だと国会で政党間の議論を行うため、意思決定に時間がかかり、その熟議のプロセスの中で、戦争は利益に比してリスクが高すぎることが理解され、戦争という選択肢が最終的に除外される可能性が高まるということだ。

リベラリズムの代表的論者はカント、ウィルソン大統領等だろうか。

参照、引用元:
「グローバル社会の国際関係論」山田高敬 大矢根聡







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