ChatGPTとの会話が興味深くてたまりません。
この前の防衛装備の話だけど、戦車や艦船、戦闘機等は、増産しなくてもいいの?
結論から言うと、「増やさなくていいもの」と「増やしても間に合わないもの」が多い。だから優先順位は、戦車・艦船・戦闘機の“頭数”ではない。ここを取り違えると、金は かかるのに抑止力は上がらない。
まず戦車。 台湾有事や南西諸島防衛を想定すると、戦車は主役にならない。 島嶼戦では、
・輸送が難しい
・上陸させにくい
・ドローンと精密誘導兵器に狙われやすい
という三重苦を抱える。 陸自が戦車を減らし、機動打撃部隊や対艦・対空ミサイルに軸足を移しているのは、流行ではなく地理の帰結だ。 増産しても、置き場と使い道が限られる。
次に艦船。 ここは一見「増やすべき」に見えるが、実は罠がある。 大型艦は、
・建造に年単位
・乗員が足りない
・失った時の損失が大きい
という特徴を持つ。 台湾有事が起きたとして、今から造った艦は間に合わない。 それより重要なのは、
・既存艦の稼働率を上げる
・分散運用できる小型艦・無人艇
・弾薬と補給
ここを厚くすることだ。艦は「数」より「出撃回数」で価値が決まる。
戦闘機も同じ論理になる。 F-35のような第五世代機は、質としては十分に高い。 問題は、
・滑走路が狙われる
・整備と部品が詰まる
・撃てるミサイルが先に尽きる
という点だ。 機体を増やしても、飛べなければ意味がない。 むしろ必要なのは、
・分散基地
・簡易滑走路
・迅速な修理能力
・無人機とのチーミング
ここだ。空の戦いは、もはや「何機持っているか」ではなく、「何回出せるか」になっている。
では、なぜ「増産論」が出てくるのか。 理由は単純で、分かりやすいからだ。 戦車○両、艦○隻、戦闘機○機。 数字は政治的に説明しやすい。 だが、戦争で効くのは、
・弾が切れないこと
・壊れてもすぐ直ること
・やられても代わりがあること
という、新聞映えしない部分だ。 だから整理すると、こうなる。 主力兵器は「今あるものをどう生かすか」が本題。 増やすべきなのは、
・弾薬
・ミサイル
・無人兵器
・補給と修理
・分散と再起動能力
戦争はコレクション勝負ではない。 一番強いのは、 「派手な装備はほどほどだが、何度でも立ち上がってくる相手」だ。 中国が本当に嫌がるのも、そこだ。 日本が戦車を何両持っているかより、 「どれだけしぶとく、長く付き合わされるか」。 抑止の正体は、意外なほど地味な算数でできている。
「計算できるか?」という問い自体が、とても科学的だ。結論を先に言うと――一点の数字を弾き出す方法はないが、確率を“絞り込む枠組み”はある。占いではなく、条件付き 確率の世界だ。
発想のコツはこうだ。 「習近平が侵攻したいか?」ではなく、**「侵攻した方が“合理的だ”と判断される条件が、5年以内にそろうか?」**を見る。
まず大前提。台湾侵攻は中国にとって
・成功すれば歴史的偉業
・失敗すれば体制を揺るがす大事故
という、極端に非対称な賭けだ。だから軽々には踏み切れない。
そこで、判断軸を4つに分解する。
① 軍事的成功確率 これは純軍事。
・台湾の防衛力
・米軍の介入確度
・制海・制空・上陸の同時達成
ここで重要なのは、中国が「勝てる」ではなく**「短期で勝てる」と信じられるか**。 長期戦になる時点で、中国に不利だからだ。 現状、中国は急速に能力を高めているが、「確実」と言える水準にはまだ達していない。
② 国際環境(特に米国)
これはかなり重い。
・米大統領は誰か
・米国内が分断
・内向きか
・ウクライナや中東で手一杯か
台湾侵攻は、中国単独 vs 台湾ではなく、実質的に中国 vs 米国。 米国が「本気で来る」と見える間は、侵攻確率は下がる。
③ 国内政治と経済
ここが近年、重要度を増している。
・経済成長の鈍化
・失業
・不動産問題
・党内統制
体制が不安定なとき、外に敵を作る誘惑は強い。 一方で、戦争で失敗すれば、国内不満は爆発する。 つまり、国内が悪いから即侵攻、とはならない。 「悪いが、まだ統制できている」状態が最も危険。
④ 習近平個人の時間軸
ここは“人間”の話だ。
・自分の任期中に歴史的成果を残したい
・台湾問題を次世代に先送りしたくない この心理は確実に存在する。ただし、独裁者ほど「失敗」を恐れる。 大胆さと慎重さが同居している。
では、どう“計算”するか。 定量化の擬似モデルはこうなる。
・軍事的短期勝利が見える → +
・米国の介入が不透明 → +
・国内不満が高いが統制可能 → +
・指導者の時間的焦り → +
逆に
・米国が明確に抑止 → -
・台湾の防衛力が急上昇 → -
・経済危機で失敗が許されない → -
この「+と-の合計」を年ごとに見ていく。 専門家が言う「2027年説」「2030年説」というのは、実はこの足し算のピーク予測だ。
個人的な冷静評価を言えば、 5年以内に“可能性はゼロではないが、五分五分には届いていない”。 ただし、これは「意図的侵攻」の話。 事故、誤算、エスカレーションによる“転落型戦争”は、別枠で確率が高い。
戦争は、起こそうとして起きる場合より、 起こさないつもりで、条件が崩れて起きる場合の方が多い。 だから重要なのは「予言」より、「どの条件が動くと危険水域に入るか」を見張ることだ。
この視点を持ってニュースを見ると、単なる演習報道や外交発言が、ずっと立体的に見えてくる。世界はいつも、数字にならない計算を積み重ねて動いている。


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