国際情勢よもやま話2

90年代以降、「ワシントン・コンセンサス」というキーワードが話題になったこともあった。

経済危機に見舞われた開発途上国に必要な経済安定、改革の「政策パッケージ」をめぐってワシントンに本拠を置くIMF、世界銀行およびFRB等の機関の間にある合意(コンセンサス)が存在するとして、政策処方箋を挙げたことに由来する。その骨格は(1)財政規律の回復と緊縮政策、(2)税制改革と補助金削減、(3)価格、貿易、金利の自由化、(4)規制緩和と民営化の推進などであった。

ワシントン・コンセンサスの評判は芳しくなく、予想を大きく上回る生産性低下とインフレが同時並行的に進行する不況をもたらし、貧富の格差拡大など社会的コストもまた予想を大きく上回った。

90年代を通じて混乱し続けた開発途上国も多く、ワシントン・コンセンサスは市場原理主義の政策イデオロギーの象徴として厳しい批判の対象とされるようになった。批判の先頭に立った中には、著名な国際投資家ジョージ・ソロスやノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツの名前もある。

参照文献:
「世界を不幸にしたグローバリズムの招待」ジョセフ・E. スティグリッツ  徳間書店






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