会期不継続原則

会期不継続原則
国会の定例会議を常会と言い、毎年一回、1月中に召集することになっている(憲法52条、国会法2条)。常会の会期は、国会法10条で150日間と決められている。しかし、会期中に議員の任期が終了したり、衆議院の解散が行われたときは、その時点で会期は終了する。
臨時会は、内閣の決定により、またはいずれかの議員の4分の1以上の要求があった場合に召集される(憲法53条)ほか、衆議院の任期満了による総選挙または参議院議員通常選挙が行われた後、新議員の任期の始まる日から30日以内に召集することになっている。
いずれの会期も、両議院一致の議決によって延長することができるが、延長が許されるのは常会では1回だけ、臨時会及び特別会では2回までと決められている(国会法12条)。
しかし会期の長期化は世界的な傾向であり、イギリス、アメリカは会期はあるもののほぼ1年中開会状態、フランスは270日会期制で、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、オランダなどの国々では通年会期制を採用している。
こうなると会期そのものを廃止してもいいのではないか、という考え方も出てくる。
会期が限られていることは、野党に戦略を与えている。すなわち「会期中に議決に至らなかった案件は、後会に継続しない」(国会法68条)とする原則(会期不継続の原則)が存在するからである。この原則のために、審議未了の法案は、例外的に閉会中も委員会で審査を継続すると議決されない限り、会期切れにより廃案となってしまう。与野党対決法案では「会期切れに追い込む」ことが野党の最終目標になってしまっているので、野党側はなるべく審議を先送りし、会期切れで廃案となるのを待つ戦術をとる。その間に、水面下で審議再開をめぐって与野党間の駆け引きが行われ、場合によっては、法案について与党側の譲歩を引き出すことも可能になる。

主な参照文献:
「日本の国会」大山礼子 岩波新書





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